夕景を闇に染め上げ夜が来る [2014年11月06日(Thu)]
秋の夕景が暮れていく
すっぽりと弱い闇が薄いベールとなって地上を覆っていく 山の端はシルエット、真っ黒な影絵 高層の雲、低層の雲それぞれにホンワカして残照の中にある 夕日に照らされ万化する、薄桃色に薄紅に柿色に 揺れ動くかのような雲、女性の長い髪のようになびく雲、黒々と散りばめた雲 一秒としてとどまらない変化、形や色の変えよう 夜の静寂(しじま)と闇に沈んでいく 街灯と家々の明かりが闇に対抗して夜を照らそうとする 月が出てきた 昨夜ミラクルムーンと賞されて多くの人が観た次の十四夜の月 人工の明かりがなかった大昔はどうだっただろう 明るい月はさぞかし頼もしかったであろう 人の顔までは判別できないが道を迷わず歩けるほどの明るさ 提灯や松明を持たなくても歩けるほどの明るさ 月は頼もしい、月は輝かしい 特に秋の月は人の世の闇も照らしてあからさまにする 列車の外は闇、暗がりはほんまもん 闇で染め上げて夜の陰翳は完成した |