春は鳥春は花なり春楽し [2014年04月12日(Sat)]
燕尾服をまとったツバメが縦横無尽に飛び回っている。巣づくりに精を出している。ヒバリが鳴いている。ひらひらと蝶蝶のように舞い上がって楽しげだ。街中ではイソヒヨドリが天使のような声で歌っている(天使の声は聞いたことがない)。トンビは高く高く上空の空気をつかんで丸く丸く滑空している。ウグイスはもう十分に上手に鳴けるようになったようだ。スズメも名を知らない鳥もにぎやかに春を過ごしている。水辺ではカイツブリがけらけらと鳴いた。春に鳥が喜ぶ。
花盛りである。鮮やかなタンポポの黄色。花の横には綿帽子が並んでいる。菜の花はレモンイエローに染まってどこか美味しそうだ。ムスカリは別名グレープヒアシンス。極小の提灯の形でヘブンリーブルーが美しい。スイセンは黄をベースにしてさまざまな色と形で目を楽しませてくれる。桃は今でもローズ色で艶やかだ。象牙色のハクモクレンが終わったら、ラズベリー色のモクレンが花を広げつつあった。学校の中庭や民家の鉢にはパンジーやビオラが百花繚乱のおもむきだ。ソメイヨシノは終わったが、八重桜が花芽を広げつつある。たわわに豪華な花を垂らすのももうすぐだ。色とりどりのツツジも陽光を浴びて空にむかって花開こうとしている。山々の木々は新葉が芽吹き新緑となり、春もみじの様相を呈している。目を下に転ずればシバザクラが地を染めて。春は花盛り。 (写真はムスカリ。わたしにはグレープというよりは、異世界の建築物にみえる) |