北にある十字の明星楽しんで [2014年02月24日(Mon)]
南半球へ行くと空に輝くのは有名な南十字星(サザンクロス)。かつて、豪州ニューサウスウエールズの限りない平原地帯を夜通しバスに揺られた(20時間)。バスの座席のガラス越しに南十字星を「発見」したときにはゾクゾクと身震いした。停車中に外へ出た。街の照明が少ないので星はくっきりと見え、銀河は太い帯になって流れていた。小さな星々を絨毯にして浮き上って見える南十字星。雄渾に気高く輝いていた。銀河系の兄弟星雲である大小のマゼラン雲も見えた。忘れがたい想い出である。
北半球にも北十字星(ノーザンクロス)が生まれたことをご存じだろうか。今冬はとてもよく見える。サザンクロスの5倍くらいで大振り過ぎるが、相似形の十字架だ。十字の基底に全天一明るい恒星大犬座・シリウスを置き、右の腕がオリオン座の赤色巨星ベテルギウス、左腕に子犬座の白面の貴公子プロキオン。そして十字の上部は木星だ。恒星3つはふだんは冬の大三角形として目立っているが、この冬は煌々と輝く木星を付録にして楽しめるというわけだ。この形はいずれ崩れるが、かりそめの北十字星を楽しむことにしよう。 ちょうどこの辺りには冬のダイヤモンドがある。文字どおり綺羅星のごとく1等星が並んでいる。 オリオン右足のリゲル。シリウス。子犬座プロキオン。双子座のポルックス。御者座のカペラ。牡牛座のアルデバラン。これらを結んで縦に長大な六角形ダイヤモンドの出来上がり。もともと絢爛豪華な冬の星座をこの冬はいちだんと楽しめる。空に大きな線引いて、丸い巨大な天球に輝く星のきらめきを宇宙の広さを感じてみたい。 |