決勝はひとりの勝者敗者決め [2012年08月23日(Thu)]
80人ほどでジャンケン大会をやる機会があった。賞品は用意したが、優勝者にだけあげるという厳しい選抜だった。二人ひと組、もしくは三人ひと組を作って一斉にジャンケン。勝ち残った者は次の相手を探して再び勝負。数がある程度絞られたところで前へ出てもらって、衆目のなかでジャンケンをする。準々決勝となって8人が残ると会場の注目はいやがおうでも集まる。準決勝に4人が戦い、さらに決勝戦での最終勝負はあっさりと決まった。次々と勝者を選抜して最後の一人になるまで勝利者を確定していくトーナメント方式は厳しい戦いだ。準決勝まで残っても、負けてしまえば敗者の一人でしかないからだ。
オリンピックでさまざまな銀メダリストがいたが、煎じ詰めれば金メダル勝負に負けた選手が銀メダルをもらうことになるわけで、人によってはとても悔しそうに金メダリストの国家を聞き国旗掲揚を眺めていた。運試しで気軽にできるジャンケンとは違って、それまで死にものぐるいで鍛錬してきて世界最高峰の金メダルを求めて精進してきたことが、最後の負けで無に帰すと思ってしまうのも無理はない。実際は各国の予選を経過してオリンピック代表に選ばれるだけでなく、五輪の舞台で決勝戦まで勝ち上がっていくことは並大抵のことではない。世界の超一流であることは間違いない。それでも負けた者は悔しい。 今日は夏の甲子園・高校野球の決勝。ず抜けた好投手・藤浪を擁する大阪桐蔭が3対0で青森・光星学院を完璧に抑えて優勝した。今日の決勝戦は史上初という春の甲子園と同一カード。春の雪辱を決勝戦で晴らそうとした光星学院であったが、敗れた。昨年夏の甲子園でも西東京・日大三高校との決勝で準優勝に終わっているから、三回連続の雪辱戦に敗れた。 甲子園準優勝は最高峰の栄誉である。だが、光星学院の選手や監督はその名のように「光り輝く星」になりたかったであろうに、その栄冠を大阪桐蔭に譲ってしまったことに、さぞ悔しい思いを抱えているであろう。これも負けて悔しい「銀メダル」である。準優勝校は記録に残っても記憶には残りにくい。だが、その価値は年月を経て彼らの頭上に輝くであろう。 |