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恋したら月が輝く人もまた [2012年10月16日(Tue)]

__tn_20121016221239.jpg映画『月の輝く夜に』は、赤い糸でつながれた者同士はいつかは巡り会う、いつか収まるところに収まるものだという物語だ。満月輝く夜には、眼が合っただけで恋が始まるかもよというコメディでもある。この映画のように毎日が満月ならばそんなこともあるかもしれないが(何回か夜が明けたのに、なぜか満月ばかり)、幸い満月は日々欠けて、ふたたび巡るのはひと月後。だからひとは毎日恋してばかりはいない。平穏な日々を暮らす。ときどきトキメくくらいが、ちょうどいいのだ。

さて物語。ロレッタは友人のジョニーからプロポーズされた。何年か前に夫を交通事故で失って独身で断る理由がないという程度の軽さから(多分)、婚約を受け容れた。その後ロレッタはジョニーの弟のロニー(ニコラス・ケイジ)と会い惹かれあう。ニコラスの野性味にあふれたことといったらない。野蛮といってもいい。ニコラスが若いときにはああいう魅力があったのだ、と感心した。

ロニーはロレッタのまっすぐなところに惹かれた。ロレッタはその野獣性に惹かれ、重ねてきた唇を通して恋に火がついた。しかし倫理的には許されない。これっきりと断定するロレッタに対し、ロニーはあがく。二人でオペラを見たい。これが最後だと。その日の夜、髪を染めドレスアップしたロレッタは息を飲むほどに変貌した。恋する女が美しくなるという典型かもしれない。二人が見たプッチーニの「ラ・ボエーム」は、貧乏な詩人と針子の悲恋の物語。ロレッタが涙を流していたのは、詩人に見守られながら恋人が息を引き取ったところだろう。その横顔にロニーはさらに惚れ、二人は収まるところに収まった。

ひとは意にそわなくとも、恋していなくても結婚することはできる。反対に、恋してドラマチックに恋愛を中心にした生活をはじめることもできる。でもロレッタは、同じやるなら、恋に命を燃やした方がいい、と考えた。考えたというよりは体が動いた。ロレッタのあの動物的な目の動きと体のこなし、彼女は天性の恋求め人だったのだと思う。

そして恋する女は美しい。年齢の多寡を問わない。恋すれば一途に身を飾り、心を飾る。ただし対象は男ばかりではないし、思い入れて一生懸命になり工夫の限りを尽くすのは人間相手の恋ばかりではない。仕事のこと、子供のこと、趣味なんでもだ。女だけではない。男だってそうだ。何かに打ち込んでいる姿は美しく、見ごたえに満ちている。
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