糸の下あやつり人形命かけ [2024年08月25日(Sun)]
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八百屋お七の演目では、艶やかさや色っぽさを表した。人形を10本以上の絹糸を使って巧みにシナを表現する。見事なものである。弁慶の演目では、勇壮で荒々しいなりを、ふとした仕草も加えて観る側に感情の機微を伝える。なんともファンタスティック。三味線の謡い、太夫の節をつけた語りが加わると人形たちは、生きて古の人々の喜怒哀楽をもって観客を魅了する。 終演後の舞台で人形遣いの体験をすることができた。重い人形を高い位置にある歩み板の上に立ち、下を向いて操作する。熟練の技であるのは当然だが、さぞや肩も凝るであろう。年季とはいえすごい胆力が必要だ。 ただ、義太夫節からなるこの人形芝居は、すべて古語と漢語で演じられる。中世から近世に至る歴史物語が題材であるから、現代人には馴染みがない。どうしても難しい(申し訳ないが居眠りした)。口語で演じてほしいと思った。近現代の新作が、出てほしいとも願う。 益田にこの人形浄瑠璃が伝わったのは、明治20年頃という。芝居は連綿と受け継がれたが、数十年前には団員がわずか5名となり、風前の灯であったという。子どもにもウイングを伸ばし、親たちも引き入れて愛好者を増やし、今では24、25人の会員が支えるようになって、こうして定期的に公演もできる。頑張ってほしい。及ばずながら寄付をしてグラントワ中ホールをあとにした。 |



