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吾輩は有名動物上野の山に [2012年07月08日(Sun)]

__tn_20120708214928.jpg吾輩は赤子である。名前はまだ無い。

どこで生まれたかは知らぬわけではない。調光の整った温度も温度も快い管理された空間だと記憶している。気がつくと母の手のなかでミャーミャー泣いていて舐めてもらっていた。そこは動物園という場所だった。母に抱かれながら、吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くと、それは飼育員という人間中で一番優しい種族であって、生まれたばかりの赤ちゃんは特に大切にしてくれるらしい。

生まれて数日、母はつねに吾輩を抱いて乳を与えてくれた。しかしすっかり疲れたらしい。初めてのお産だったし夢中で何も食べてはいなかった。吾輩は土間におかれてしまったので、とうとう飼育員が吾輩をやさしく抱いて保育器に入れてくれた。吾輩は寒気がしていたし、お腹がへって元気がなくなってきたとも感じていた。生まれたばかりのころは自分の性別などわからないものだ。赤子のうちに男の子っぽいとか、女の子らしいとかわからないものであろう。どうも吾輩はオスらしい。

哺乳瓶で飲むお乳もなかなかのものだが、母の腕のなかが一番だ。今は竹を食べるのに夢中な母が、吾輩を抱きしめてくれることを期待している。母というものはいい。吾輩を大切にしてくれる。飼育員もやさしいが母が一番だよ。赤子なのにどうしてこんなに偉そうにしゃべるかって? そりゃ人間みんなが吾輩を熱狂的に注目し大事に大事にあつかってくれるから、そうなってしまうのだ。

母の名前はシンシン。吾輩の名前はどうするかな? どこかの知事は「センカク」と名付けたらいいと強硬に発言したらしい。吾輩の母国、中華人民共和国に対抗するつもりのようだ。それもいいかもしれない。しかし協定では2年後にはよほどの事情が無い限り、吾輩は中華人民共和国に帰らざるをえない。名前をつけると何事に対しても愛着がわくことは当然のことであろう。吾輩のことは、「パンダの赤ちゃん」、少し大きくなったら「パンダ」と呼ぶ程度でよいよ。そのほうが吾輩も気をもまなくてすむというものである。
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