魂を共鳴させてガット弾く [2020年11月03日(Tue)]
![]() ≪ギターはポピュラーな楽器なのですが、ギターのみでの演奏をじっくり聴く機会は少ないものだとも言えるでしょう。弾き語りという形式がありますが、ギターだけの楽曲演奏においてこそギター本来の魅力が発揮されるわけです。ギターのアコースティックな音色は、時に聴く者の魂と共鳴します≫ (第55回定期演奏会プログラム) エレキギターも悪くはないが、生の音ではなくアンプで増幅された電子音は「魂の共鳴」というよりは、パッションの伝導というに相応しい。弾き語りで使うアコギではスチール弦の音が鋭くて、やはり歌をサポートする役割といえよう。クラシックギターのガット弦(昔は本当のガット、羊の腸で今はナイロンかカーボン)は、タッチによってある時は柔らかく、またある時は硬質に幻想的に音楽を奏でて、共鳴させる。 共鳴させるうちに、やがて何かを呼び覚ます。覚醒した魂は生きる力を沸き立たせるであろう。氏はさらに、≪部員一同そのような一瞬をめざし、無心に演奏いたします≫と。そうだ、一瞬でもいい、思いも込めて無心で演奏に集中するうちに、拙い演奏であっても聴衆に伝わるものがあるであろう。わたしもそう心がけたい。 (夜露を残して無数の水玉が朝日に共鳴するかのように輝く) |