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禁酒法陽気なギャングにワンスアポン [2019年02月16日(Sat)]

fumihouse-2019-02-16T20_36_22-1-thumbnail2.jpg4人のミニギャングが暗黒ビジネスで本物のギャングに育っていく。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』は100年ほど前、禁酒法時代のニューヨークの暗黒街を描いている。封切り時に見たものとは全く違う映画だった。そのはず、あのときは1920年代と60年代を描いていたが、このリニューアル版は、年を重ねた80年代の主人公ヌードルス(つまり本当に年取った今のロバート・デ・ニーロ)も追加していたからだ。

傑作映画と言われるが4時間11分。長さに辟易した。トンチ、ユーモア、哀愁も希望が描かれてはいても、基本は凄惨な殺しあいの世界。少年たちはのしあがるが、所詮は綱渡りの犯罪行為で悪党の勢力争いでしかない。かりそめの友情も裏切りによって失われる。

ヌードルスが阿片窟でヤクに陶然とする様子は、死んだ仲間たちを追悼するにふさわしいラストシーンだったのだが、今回加えられた筋書きで哀悼痛惜の感じが吹き飛んだ。銃社会アメリカの狂った歴史を思い知らされたような気がする。

儚い人生をギャングが狂気と抗争で終わらすのも、アメリカ・ファーストで歴史に学ばない狂気を振りかざすのも、大国アメリカの一つの姿だろうか、と考えさせられた。

年老いたヌードルスは幻影を見た。禁酒法時代の若者たちが陽気にどんちゃん騒ぐフォードが走り去った。それを古き良き時代のアメリカの夢、すなわち「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」の象徴と見るかどうかは、人それぞれだ。わたしには全く感情移入できない映画だった。

(暗黒時代のアメリカ・ニューヨークの工場群ではない。出雲・ビッグハートの黒のホール天井だ)
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