人間と人工頭脳は戦うか [2016年09月08日(Thu)]
チェスや将棋に加え囲碁までも、プロを負かした人工知能の急速な進化。茂木健一郎氏がこう言っている。
≪人工知能の最近の発展を理解するうえでの重要なポイントは、そのプロセスで特に新しい「原理」が発見されたわけではない、ということである。 もともと、脳の神経回路がどのように学習するかという研究にヒントを得て、人工知能のプログラムの改良法は考案された。したがって、人工知能が実行している学習法は、すべて、人間の脳がやっていることである。 脳が実行する学習則を、地道に繰り返すことによって、人工知能は成功している。そこには、何のマジックもない。 一方、人間は、学習法がわかっていても、それを徹底しないことが多い。画期的に新しい学習法を考案する必要などない。ただ、基本を繰り返し、やればいいだけの話なのであるが。≫ (茂木健一郎「人工知能から学ぶ英語学習法」プレジデント2016.3.14号) 長い引用だったが実に驚いた。考え得る限りの思考の筋道を人間がコンピュータにインプットして人工知能が成長するものだと思っていた。失敗と成功を繰り返し試行錯誤して地道に学んでいくように、コンピュータがプログラムされているとは知らなかった。グチをこぼすことなく愚直に学ぶコンピュータ。かわいいヤツだ。 だが彼らを人間の側に引き寄せておかないと、多くの推理小説や映画に描かれたように、反乱する人工頭脳が現実のものになりかねない。その岐路に立つのは意外と近い将来かもしれない。危うし人間! (優美なたたずまいで咲いている白い芙蓉。昔から美人に譬えられてきた) |