イスラムのペルシャかアラブか覇権かけ [2016年01月05日(Tue)]
ペルシャ対アラブの静かな闘いが始まった。熱い戦いにならないよう願う。サウジアラビアはイランとの外交を断絶させ、イランの外交官全員に退去するよう求めた。
サウジアラビアはアラブ世界の金持ち大国。イランは世界に君臨したペルシャ帝国の末裔。両国ともにイスラム教ではあるが、アラブは主流たるスンニ派を信奉し、イランは傍流のシーア派に属する。 今回の断交はサウジアラビアの大使館や領事館がイランの群衆に襲撃されたことが発端だ。襲撃は2日にサウジアラビアがシーア派指導者をテロリストとみなして処刑したことに始まる。それぞれに言い分は異なるが、スンニ派のバーレーンとスーダンも同調してイランと断交したというから、スンニ派国対シーア派国というイスラム教同士が骨肉相食む争いが始まりそうだ。 となると、”静かな闘い“ではすまなくなるかもしれない。同じスンニ派とはいえアラブ諸国とも対立し超過激に世界イスラム革命を目論むISも勢いづくだろうし、シーア派が主導するイラクだって国内多数派のスンニ派を押さえ込めなくなる恐れもある。中東はさらに混沌の度を増す。 第二次大戦中に中東で石油が見つかっていなければ、中東諸国が金満国になっていなければ、世界は違っていたと思うけれども、いまさら元には戻れない。せめて冷たい戦争のまま推移するよう祈る。 (暖冬にも水仙は華麗に咲いている。雪中の四友はそろった。スイセン、サザンカ、蝋梅。梅も暖冬で開花したところがあるらしい) |