鳴き砂をキュキュッと鳴らし天真に [2014年09月14日(Sun)]
砂を鳴らす。すり足で砂浜をこすりつけてズンズン歩く……。鳴き砂の浜「琴ヶ浜」で砂を鳴らして天真爛漫に楽しんだ。空は青い。雲は高い筋雲。白波が立つ海は太陽に照らされて群青の深みを増していた。
砂の音は形容しがたい。キュッキュッという澄んだ感じではなく、ギュッギュッとも、キュイギュッ、キュバッキュとも表現できるかもしれない。大田市仁摩町馬路(まじ)にある琴ヶ浜。JR馬路駅の真下にある。石英の粒を多く含む砂が表面摩擦を起こし音を出す現象である。 しゃくりあげて泣くような趣もある。泣き砂とも言われる所以である。壇ノ浦の決戦に敗れた平家の姫がこの地に流れ着いた。村人に助けてもらった礼として姫は毎日琴を奏でた。その姫が亡くなっても馬路の砂浜はまるで琴の音のように鳴き続けた。それ以来琴ヶ浜と呼ぶようになったという。琴姫をしのんで村人も泣いたのかもしれない。今やもう、遥か昔のロマンとなった物語。 (踏み鳴らして楽しんだあと。砂に足跡くっきりと残っている。これを名付けて「後の祭り」) |