筋力と宇宙の闘い空間で [2014年05月14日(Wed)]
宇宙飛行士の若田さんが地球に還ってきました。宇宙滞在期間188日。日本人宇宙飛行士として最長だそうです。日本人初の称号としては、他にも国際宇宙ステーションで船長を務めたことがありました。素晴らしいことです。超小型衛星を放出したり、アイソン彗星の撮影に取り組んだということですが、長期間の宇宙滞在が体に与える影響を調べるという点でも大きな任務を果たしたと言えるでしょう。
宇宙空間の無重力状態では、一日につき筋力が1%減少するといいます。188回の複利計算をしてみると、15%まで筋力が低下するではないですか。15%減ではなくて、85%減なのです。こうなってしまえば生きていくことは不可能(生きていても普通の生活には戻れない)ですから、毎日が低下する筋力との闘いだったと思います。重力ゼロの世界で、どれだけどんなトレーニングをやったのか、想像もつきません。 地球の重力はそれだけ重要なものなのです。それから離れて188日、地球を3000周。大宇宙のロマン、地球の母なる姿を眺める感激……。それらを感じる役得はあるわけですが、その間の労苦たるや大変なものだったことでしょう。その努力に敬意を表します。 (写真は、宇宙を指差すように穂を向けているしばらく前の大麦。今はもう黄金色に輝いて、首を傾げています) |