許すのか非道な攻撃シリアへと [2013年09月07日(Sat)]
ロシアは米国がシリアを攻撃した場合にも、軍事、経済多くの面で支援を続けてきたシリア・アサド政権への支援を続けるという。G20首脳会議でも反対する国は多い。イギリスはすでにアメリカに同調しないと議決し、フランスも単独では動かないと決めている。その他の国も慎重であるし、なかでもアメリカ国内に反対世論が根強い。
シリア国内においては、アサド政権が反対勢力と対決する単純な図式ではなく、周辺国やイスラム勢力も巻き込んだ代理戦といった様相もあり、アサドを除けばめでたし、ということにはならないだろう。アメリカのシリアへの攻撃が始まれば(おそらくイスラエルも一緒に動く)、シリアと結ばれているイランが友だちの敵は敵として、アメリカやイスラエルに攻撃を仕掛けたり、ペルシャ湾を封鎖する行動にも出るかもしれない。日本への原油は大きな打撃を受けることは間違いない。 アメリカはシリアが使ったとされる化学兵器について、こんなふうに非難する。毒ガスを使用する化学兵器は、多国間の化学兵器禁止条約でも使用が禁止されており(シリアは署名してない)、しかも非人道的な兵器であり、無辜の一般国民を犠牲にしたことは許し難い。黙って見過ごせば周辺国、なかでも隣国イスラエルは危険にさらされる。テロなどアメリカへの脅威ともなり、世界平和を大いに害する。だからアサド政権を叩くのだ、と。 「非人道的な兵器」。かつてイラクの都市を無差別なまでに爆撃し、フセインに関係のない市民をも殺しまくったアメリカの罪はどうなるのだ。そして核兵器はどうだ。ヒロシマ、ナガサキに原爆を落としたのは、戦争終結を早めるためと後でとってつけた理由を述べているが(もちろんソ連が参戦して焦ったこともあったが)、せっかく造ったのだから使ってみたいという幼児的な理由が、その根本だったにちがいない。アメリカの歴史こそ非道な罪に血塗られている。そのアメリカにシリアを爆撃する理由は見あたらない。 |