声高くこの身聴かせよ磯の鳥 [2013年04月16日(Tue)]
イソヒヨドリが鳴いている。澄んだ美声だ。複雑な節回しで高らかに歌う。この世のものとは思えない。寺の高い屋根瓦のてっぺんでこれ見よがしに歌うのは、縄張りを主張するのか。ビルの屋上に陣取ってさえずるのは、恋の相手を求めているのだろう。最高の声音で魅力的にメスを蠱惑する。やがてつがいを作って雛を育てていく。
ヒヨドリと名はつくが、ツグミやムクドリに似ている。頭から背にかけて暗めの青色。胸や腹はレンガのような赤い褐色でコントラストが鮮やかだ。翼は光沢のある黒でかっこいい。よく鳴くからオスだろう。形容しがたい美しい声を聴かせてくれる。辺りに力強く響き渡る。 燕や雀、雲雀、山鳩など春によく鳴く鳥は多いけれども、イソヒヨドリほど際立つものを知らない。耳をそばだてて聞き惚れるうちに、心洗われ爽やかになる鳴き声である。明日もまた聴かせてくれるだろうか。 (写真は野大根の花。派手ではないが、見るほどに味がある) |