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チャレンジドの「地域で生きる」を考える

このブログは、スウェーデンのニイリエが障害者の地域生活の在り方について分かりやすく示した「ノーマライゼーション八つの原則」の考え方を基本的な理念として、チャレンジド(※)の地域での普通の生活がごく当たり前になり、共生社会が実現することを目指した具体的な行動や行事・事業・研修・提案・要望等の活動について、福市繁幸が(社会福祉士・精神保健福祉士・NPO佐賀県地域生活支援ネットワーク代表理事、佐賀県肢体不自由児者父母の会連合会会長の立場で)記録しています。
年間行事の「チャレンジドフォーラム」「サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修(基礎・実践・更新)」についても案内しています。
※チャレンジド=障害者を表す米語。障害者・難病の方々・自閉症/発達障害など地域生活をするにあたり様々な挑戦をする機会が与えられた選ばれた人たちの意。


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介護付デマンド交通について [2014年12月24日(Wed)]
「介護付デマンド交通」については、三年前にチャレンジドフォーラムで提案して3年目となり、「継続は力」と信じて今年も提案をしましたが、フォーラムの取材をされていた読売新聞の記者さんに取材を受け記事にしていただきました。

第11回チャレンジドフォーラム参加者にお願いをしてアンケート調査を実施したところ、下記の通り回答を得ました。利用者側の期待はとても大きいことを改めて実感することとなりました。
国土交通省の地域交通維持改善事業費補助金を活用する提案ですが、介護者は「バスの添乗員」として現在も補助要綱に残っているものを活用できると考えていますし国土交通省の担当者もフォーラムでそのように発言されました。

移動の厳しい方々の公共交通を県域で取り組むことは、地方を応援する戦略予算を使い「第三の矢」の象徴的な取り組みになるのではとも思います。

県の取り組みが起爆剤となり、市町主体のデマンド交通の取り組みも、さらに広がりを見せるものと考えるのですがいかがでしょうか。
新しい佐賀県知事が、この「介護付デマンド交通」を全国に先駆けて実現してくれることを切に祈っています。

IT活用型福祉デマンド交通事業 11forum資料.doc

<アンケート結果>
■利用者側としての意見は、
・地域でたくさん の人にふれる機会が増えいいことだと思います。
・義母の通院介助をしていて腰を痛めてしまいました。是非導入してほしい。
・タクシーは高いので、500円程度なら大変助かります。
・特別支援学校の登下校で使いたい。(複数)
・就労のための交通機関として使いたい。
・子供の習い事送迎に使いたい。
・とても大切な取り組みだと思います。
・2日に1回人工透析で使いたい。スマホは使えないので、アナログでも利用できるように御配慮ください。
■利用頻度としては、 
・平日毎日4名
・月5〜8回4名
・月2〜4回6名
■事業者側は、
現在のところ個別に聞いたタクシー1社、福祉有償運送事業者が1事業者の方が「事業がスタートしたら受けてみたい。」と担い手の確保もかなうことがわかりました。
デマンド交通について [2012年01月15日(Sun)]
デマンド交通は予約型乗合交通で、自宅から、行きたい場所へそれこそドアツードアで移動できる移動手段です。

効率がいちばんいいのは、10人乗りのワンボックスカーでのせたりおろしたりすることで、多くの人が利用し、料金も全国平均で1回あたり300円程度、障害者やその付添人はその半額などと安く設定されています。

市町村等の行政が現在公共交通として財政支出しているものの多くはバス事業であり、都会ではこれに地下鉄などが加わってきます。が、バスに人がそこそこ乗っているという状況にはなかなかめぐりあわないのは皆さんも実感されていることでしょう。いわゆるガラガラがほとんどであり、これは、乗る人がいてもいなくても走る定時定路線であることがその主因です。
苦労して税金を支払っている私達として、効率的な財政支出という点からだけをとっても、果たしてこのままでいいのでしょうか。多くの人が感じながら「それでも走らないよりまし」とおもわれていないでしょうか。知ってほしいのは、「もっと便利な乗り物があるよ」ということです。

デマンド交通は、ITの進歩もあり、乗りたい人が一度住所やよくいく場所を登録しておけば、30分前の予約で利用できるようになりました。もうタクシーと同じですね。買い物に行ってたくさんの荷物があっても、バス停まで苦労して歩く必要はなく、玄関から玄関まで動いてくれる。
寄り道が嫌な人はタクシーを、寄り道して時間がかかるけども安い方がいい人はデマンド交通を選べるようになることがとても大事なことだと思います。

定時定路線のバスは、デマンド交通との連携をし、早く目的地につくためにバス停からバスにのった方が早い時にはバスが利用できるようにし、予約時にオペレーターから提案してもらうかたちをとればいいと思います。デマンド交通の浸透により、バス停の間隔を延ばすことができ、バス事業のスピード化が図られ、多くの人が一度に、早く安く移動できるようになります。簡単にいえばバスの前後にデマンド交通があれば、利便性がましお互いにお客さんが増えると思うのです。

いなかは、バスの利用低下、便数の低下でますます「便利」から遠ざかり、自家用車に頼らざるを得なくなり、自家用車を手放さない高齢者の急増で、80以上の高齢ドライバーが異常に多くなっています。本人も、社会もこわい状況だと言わざるをえません。

橋下市長がいよいよ公共交通の改革に乗り出します。おそらく「めざしの土光さん」と同じかそれ以上の改革をされるでしょうからわくわくしながら楽しみにして見守っていますが、ただ民間にまかせて終わり。ではないことを強く期待しています。

デマンド交通が1日も早く、世の中に浸透することを願ってやみません。
佐賀県“人に優しい”移動手段の確保推進特区 [2011年10月15日(Sat)]
佐賀県が内閣府に提出した「佐賀県“人に優しい”移動手段の確保推進特区」の関係ホームページをひろってみました。

佐賀新聞

佐賀県庁ホームページ

内閣府総合特別区域推進本部

佐賀県の指定申請書

内閣府意見募集(パブリックコメント)10月27日まで
新・公共交通システム vol.5 [2009年02月17日(Tue)]
安曇野市の新・公共交通システムを参考にして、いろんな応用ができる。

障害福祉、児童福祉、障害児教育の世界で大きな問題として昔からあり、現在も残り続けている問題が、通学支援だ。
 どこの県も通学や通所を含めた移動には頭を悩ませているに違いないが、佐賀の場合は、養護学校の在学生のための通学支援策としてのバス等が配車されていない。きわめて残念な状況だ。

障害者の通学や通所、高齢者の通院や買い物など、足を確保しづらい人たちのために、ひっくるめて効率よく(がまんできるくらいに不便な)交通システムを県内5つのエリアに分けて取り組んだらいいのではないか。

いつ呼んでも行きたいところにいけるサービスはタクシーにまかせるとして、行きたいけど足代の料金が高くて行けない人たちのために、デマンド交通を検討したらいいと思う。

定時定路線に必ず養護学校や主な福祉施設を入れるように仕組むこと。デマンドタクシーでも下車ができる共通エリアに養護学校や主な福祉施設を含めることが一番のポイントである。

もちろん御老人が利用する病院や買物の拠点も共通エリアに入れ、混乗による利用者増を目指すべきだろう。

保健福祉圏域という考え方がある。これは、保健福祉事務所ごとに佐賀県を5つのエリアに分けているもので、このエリアごとに関係各市町の協議機関を作ることから始まるのだろう。

エリアごとにアンケートを実施し、共通エリアを策定することだ。

ご老人の買物や通院で、タクシーを日常的に利用できる御老人は数少ないし、そういう人はちょっと不便なデマンド交通は利用しないだろう。いま足がなくて困っている人たちのための公共交通システムなので、バスタクシーの関係者も理解されるだろう。

運転手はプロ。やはり地元のバスやタクシー事業者の人材活用が主体となる。車椅子が必要なニーズに対応するため、福祉有償運送事業者も加えるといいだろう。

「腹をくくれば、できる。」は、事業を受託した安曇野市社会福祉協議会事務局長の言葉だ。
新・公共交通システム vol.4 [2009年02月11日(Wed)]
現場に行ってはじめてわかるのが、事業スタートのきっかけやキーマンそして関係者の感想だ。

きっかけは
合併にともない、各市町村がばらばらに実施していた公共交通システムを活かしながら再編成する必要が生まれたこと。安曇野市役所課長補佐の猿田副課長がたまたまNHKの「ご近所の底力」をみてデマンド交通を知り、私たちと同じようにビデオカメラを持って視察に行き、合併前の堀金地区にデマンド交通をスタートさせたこと。

キーマンは
猿田副課長と福島大学の奥山教授(システム構築)であり、事業を受託し社会福祉協議会を活性化させた樋口事務局長である。余談だが、仕掛け人猿田課長補佐が、しゃべりや背格好が佐賀県知事によく似ていた。

関係者の感想は
利用者には、直接話をきくことはしなかったが、お年寄りの女性のお顔にはりがあり、笑顔があり、顔が生き生きとされていた。制約は多いものの、毎日お化粧して、買い物や病院に出かけることができるというのは、やはり人間としての生活リズムに欠かせないものであり、何よりも若さの秘訣だと思った。
運転手には長々と事情をきくことができたが、システムの導入については、「時代の流れであり仕方がない」「借上料一時間2000円は安すぎる。せめて2500円はほしい。」「昼休み時間がとれない」「システムでセンターとのやりとりをするのは気がちり危ない」「料金は障害者も同じであってほしい」などであった。
新・公共交通システム vol.3 [2009年02月06日(Fri)]
安曇野市デマンド交通「あづみん」は、市内中心部に設定している「共通乗合エリア」内までであれば300円であり、安曇野市社会福祉協議会の待合室(無料でお茶が飲めて、テレビもみられる)でおしゃべりでもして乗り換えれば、別のエリアにも300円のままでいける。

料金設定は
大人(中学生以上)300円
小学生及び障害者100円
未就学児 無料
回数券100円の10枚つづり1000円
回数券300円の11枚つづり3000円

乗合タクシー「あづみん」への予約手順は
@自宅の電話番号
Aご利用される方のお名前
B迎えに行く場所と目的地
C利用したい日にちと時間帯(○時台という言い方をする。)

近くで聞いていたが、電話がかかって切るまでが約40秒。予約が入って受付システムに入力をしたら、瞬時にタクシー運転手の座席の横に設置してある画面に予約が入ることとなっている。時間が切迫している場合は、直接運転手と対応可能かどうかの調整をしていた。
この受付センターに受付システム完備のパソコンが7台設置してあり、午前中はひっきりなしに電話がかかってくるそうだ。このシステムが直前の予約を可能にし、細かいサービスの提供を可能にしている。タクシーでよくやっている無線でもいいような気もしないではないが、乗合タクシーであり、「誰が何処から乗るのか」画面上で確認し、乗車したらワンタッチで確認できるところがよさそうだった。
システム維持費用は1400万円。これだけの実績があれば高い買い物ではないと思う。

運行は平日のみ。土、日、祝日、年末年始、昼休み(13〜14時)は運休となっている。
新・公共交通システム vol.2 [2009年02月03日(Tue)]
「あづみん利用者10万人に 順調312日で達成 注目の中市民生活に浸透」
これは、地元紙に掲載された記事の見出し。
平成19年9月にスタートし、一日平均321.4人の利用と報じているが、平成20年度だけで見ると、4〜12月の平均で、349.7であり、利用が伸びていることを示している。新聞では、口コミで利用が伸びていると報じている。
この数字は、デマンド交通の「あづみん」の実績であり、定時定路線も一月に500名前後の人たちが利用している。
利用者層であるが、女性が78%、男性が21%である。さらに67.8%の人が70代以上の人であり、自動車運転が厳しくなった人たちがよく利用している実態が浮かび上がっている。
そして、障害者(料金が100円となっている)の利用については、31.2%となっている。

まさに、地域の困っている住民の足として効率的に機能している実態が浮かび上がっている。

運行は平日のみ
定時定路線は6:35〜8:00と17:30〜19:30を14台総出でこなし、
デマンド交通は、8:00〜17:00
ナイトラインは17:28〜21:00
と住民のうち、足がなくて困っている人たちを中心に、かゆいところに手が届くようにシステム化されている。

利用が伸びるのも、納得できる。




  
新・公共交通システム vol.1 [2009年01月31日(Sat)]
安曇野市新・交通システムが、今、全国の注目を集めている。

佐賀県議会文教厚生常任委員会委員長であり、佐賀の福祉を進めるネットワーク代表の藤木卓一郎氏、佐賀県障害福祉課長 柴田哲氏と一緒に快晴の長野県安曇野市を訪問し、視察した。

なぜ、「安曇野市デマンド交通システム」ではなく、「安曇野市新・公共交通システム」なのか。
それは、
@様々なデマンドにきめ細かく対応するために、福祉施設や学校などを巡回する定時定路線が設定してあること。
A塾帰りの学生などの利用を想定し、駅出発(降車自由)のナイトラインを設定していること。
Bお客の希望する時間場所に一時間に一本のタイミングで乗車できる乗り合いタクシーを配車する、いわゆるデマンド交通を設定していること。
など、様々なシステムを複合化していることにある。

デマンドとは、「需要」「要求」という意味であり、事前に電話予約をすれば、目的地に直接行けるというものであり、路線バスとは違い、本人の希望に応じて多様な需要に対応できるというものである。

この交通システムを成功させる鍵は、利用者側からの視点でいけば、
@料金を1回300円など利用しやすい負担金制度とすること。
A一時間に一回は乗るタイミングがあること。
B走行に支障がなければ、その日の直前の予約にも応じれるようにすること。
C対象者の限定は、観光客を除くのみとし、幅広い利用者を利用可能とすること。
D予約受付担当には主婦層を多く採用し、きめ細かな調整を可能にすること。
などであり、
事業者の視点からいくと、
@既存のバスタクシーの利便性を損なうことがないように、乗車・降車の一方を「共通集合地域」に限定すること。
A事業に参画するバス・タクシー会社の協力をとりつけることができるように、当初の事業企画段階から参画してもらうとともに、適切な借上げ料を設定し、利用者負担金の収入の一部を車両運転のガソリン代としてあてられるようにすること。
B車両については、行政でも準備し(所有者は行政、使用者は事業者)、事業のスタートに当たっての初期投資が少なくなるように配慮すること。
C陸運支局への申請については、行政により支援をすること。
などである。

ひらめいたのは、養護学校への通学支援にも「定時定路線」のひとつの降車場所とすることにより使えるということだ。養護学校の通学生だけでなく、健常者とも一緒に乗り合わせることにより健常者との心の通った交流が生まれるだろう。
車椅子への対応については、福祉有償事業を実施する事業者に参画してもらうことで可能となろう。
定時定路線では、養護学校を降車場所に選定することで、定期券の発行も可能。養護学校の通学支援には、既に定期券については全額負担してくれる制度があり、保護者の負担は軽くなる。

足があれば、お年寄りも化粧をして、気の合う仲間と買い物や病院にもいける。
人が閉じこもることなく、気軽に出かけることができるようにすることは、今必要な景気刺激策にはなるし、いずれ訪れる「孤独」から開放され、快適な人生を送る礎になりそうだ。

私たちの老後を快適なものにするためにも、また、障害者の足を確保するためにも安曇野市新・交通システムはすばらしいモデルケースだと感じた。

■実施主体である安曇野市社会福祉協議会のホームページ■











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