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チャレンジドの「地域で生きる」を考える

このブログは、スウェーデンのニイリエが障害者の地域生活の在り方について分かりやすく示した「ノーマライゼーション八つの原則」の考え方を基本的な理念として、チャレンジド(※)の地域での普通の生活がごく当たり前になり、共生社会が実現することを目指した具体的な行動や行事・事業・研修・提案・要望等の活動について、福市繁幸が(社会福祉士・精神保健福祉士・NPO佐賀県地域生活支援ネットワーク代表理事、佐賀県肢体不自由児者父母の会連合会会長の立場で)記録しています。
年間行事の「チャレンジドフォーラム」「サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修(基礎・実践・更新)」についても案内しています。
※チャレンジド=障害者を表す米語。障害者・難病の方々・自閉症/発達障害など地域生活をするにあたり様々な挑戦をする機会が与えられた選ばれた人たちの意。


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祭り終了 (02/25)
この子らは世の光です。 [2016年07月28日(Thu)]
悲惨な事件が起きて、加害者の極端な発想に対する反感から、障害のある人たちの生きる意味を国民みんなが考えていただいているようです。
そして糸賀一雄さんの「この子らを世の光に」という言葉が改めてクローズアップされています。

実際、障害のあるわが子と28年間一緒に過ごしてみて思うことは、娘のおかげでどれだけのすばらしい人たちと出会い、心の安らぎをもらい、人を思いやることの大切さを教わり、無言のまま親も含めた取り巻きのマンパワーを動かし、そして仕事を与え続けてきたのかと思うと、中小企業の社長かそれ以上の計り知れない存在意義があったのではないだろうかと思うのです。加害者もその恩恵を受けて生きてきたはずです。

この子たちに使われた税金はものすごい金額ですが、その金額は、一円も無駄に使われることはなく、大変な経済効果を生み出してきました。感謝の気持ちで無抵抗の障害者を抱きしめることはあっても、間違っても・・・。

親のひいき目を差し引いても、生きているだけで、これだけ意味のある存在は、健常者の方々のなかにもそう見つけることはできないと思っています。

糸賀一雄さんの言葉をさらにすすめた「この子らは、世の光なり」だとつくづく実感しているのは、私だけではないことを強く感じています。そして、障害者の家族でもないのに、目の色を変えて、子供たちのことを、いろんな形で一生懸命に支えようとしていただいている方々に、心から感謝してやみません。
期日前投票で思ったこと [2016年07月05日(Tue)]
酷暑お見舞い申し上げます。久しぶりの投稿です。

7月10日は、佐賀空港の春秋航空と成田空港のジェットスターを利用して北高野球部2007の保護者会メンバー総勢17名との北海道旅行最終日なので、飛行機が遅れたらいけないと思い、人生初の期日前投票に出かけました。

自宅に届いた投票所入場整理券を持って、通常の投票所の投票とまったく変わることなく投票できました。
ひとつ気づきがありました。老眼鏡があると嬉しいなと。後ろを振り向いて老眼鏡を探しましたが、立会人の前に大きな虫眼鏡がありましたが、恥ずかしくて虫眼鏡を借りることはできませんでした。これも法律に基づいて「虫眼鏡」を置いておくように決まっているのでしょうか。特に全国区の意中の人を探すのは字が小さいので老眼の私には厳しいものがありました。

老眼も含め、障碍のある人への投票所での配慮を最大限にするために、受付後、最初の投票券をいただく前に老眼鏡、点字説明ボード、音声ガイドなど障碍者向けの「投票支援コーナー」がわかりやすく設置してあり、そこには福祉のプロが待機していて「投票にお困りの方はお声掛けください。老眼鏡も貸出します。」などと書いてあれば、障碍者、高齢者の方々も投票所にいきやすいのではと思いました。

NHKで介護殺人を見ました。再放送もあるようです。
http://www.nhk.or.jp/d-navi/link/kaigosatsujin/
介護に疲れている夫が、最愛の妻から「絶対に失敗しないように殺して」といわれて殺めてしまい後悔の日々をおくる人などの切実な言葉は、アルツハイマーだった母親のこと、重度重複障碍のある娘の介護のことと重ね合わせながら釘づけとなりました。
「なぜ、適切な行政のサービスに届かなかったのか。」という思いでいっぱいになると同時に、「相談支援」の重要性を再認識することとなりました。
そして、このとき、障碍者や高齢者への適切な相談支援の必要性が現場感覚でわかっていただける候補者に投票しようと改めて思いました。
災い転じて福となす [2015年01月10日(Sat)]
今回の知事選挙は、古川前知事の最初の選挙同様大変な戦いとなりましたが、佐賀の政治レベルの向上に寄与した功績は計り知れないものがあると感じました。

特筆すべきは、佐賀大学生が立ち上げた「選挙チャンネルさがさがCOLOR」の存在でした。
https://www.facebook.com/senkyo.channel/timeline

特に候補者の人柄を知らしめた取り組みは情報が少ない選挙民にとっては、選挙公報のかたすみに掲載してほしいと思うほど素晴らしいものでした。
http://senkyo.mainichi.jp/news/20150108ddlk41010392000c.html

選挙後のしこり(災い)を心配する報道もありましたが、勝ったり負けたりするからこそ、国民の声は届きやすくなると思いますので、今後とも続くであろうこの競り合いが佐賀県の発展に寄与する「福」となることを信じています。
今年もお陰様で。感謝。 [2012年12月29日(Sat)]
今年もやはり皆様のおかげで過ごすことができた一年となりました。世のすべての人々に感謝いたします。

今年感じたこと、思ったことを列挙してみます。

障碍者によるアールブリュットは、その「ありのまま」の表現が、表現する人に邪心がないゆえにかけねなく心に響くアートであることを、バラエティアートフェスタさが2012であらためて知りました。いくたびに感動がありましたので3日ともにいきました。小室等さんや田口ランディさんの講演もアールブリュットへの感動を伝えるものでした。
疲れたときに障碍者の表現したアールブリュットをみて心から癒される。そんな拠点がすべての県に必要だと確信に近い思いでいます。

障害福祉の分野ではようやく障害者虐待防止法がスタートしました。
他の分野同様、虐待の通報件数は毎年伸び続けていくものと思いますが、これから重要なことは、虐待がおきにくい雰囲気づくりをどのようにつくっていくかという点にあると思っています。
第三者のランダムな目をいかに現場に届けるかがポイントだと思います。

チャレンジドフォーラムでも取り組んでいた難病支援の拡充について、障害者総合支援法の成立とあいまって緒につくことができています。今後の議論に大いに期待したいと思います。必要な人に必要な支援を効率よく届けることをめざし、他の福祉・医療・保健行政の手本となってほしいと心から思っています。

ほとんどすべての人が参加できる「経済の活性化のために必要なこと」は何か。
私は、体が動く限り定期的に外に出ていける移動手段を準備することが必要だと考えています。
人が動けばお金も必ず動きます。
今年のチャレンジドフォーラムで取り組んだ「ITを活用した介護付きデマンド交通」については、移動が厳しい人でも自宅近くから、行きたい場所の玄関まで低料金で移動できるシステムについて提案したものです。提案の具体的内容は別添のとおりですが、県老人クラブ連合会をはじめ関係団体の支持を得ることができましたので、来年はさらに声を大きくして、社会的弱者も含めた経済活性化の一助となるように提案していきたいと考えています。

地域生活を支える移動に関する提案24.12.29.docx

 フォーラムではタクシー業界の論客にも参加いただき、補助に頼らない(許可制度)デマンド交通でバリアフリー車両を運行する提案をされています。いずれも自由民主党の力強い政策にのることを祈っています。

皆様の幸せな毎日を祈ります。
自治会の役割 [2012年04月09日(Mon)]
4月から1年間自治会長をすることになりました。
CSO活動の中でも、責任の重いものの一つだと思いますが、一番気になっているのが災害です。

3.11の経験を待つまでもなく、災害時にもっともその役割が求められ、うまくやって当たり前。少しでも抜けていると批判の対象になりやすいポジションだと思います。

早速、お金のかからない災害対策の一つとして、正確・スピーディな情報伝達を可能にするために、メールでの情報提供を決め登録を呼びかけることとしました。
大人数を抱える部活でも今やメールでの情報提供は当たり前となりました。得意ではない人もいますが、ツイッターができる数多くの命が救われた現実をみると、やはり、会員みんなが情報収集に強くなってほしいと思っています。
少しずつ登録者を増やし、災害発生に備えたいと思っています。

避難訓練もやってみたいと思い避難所を管轄する機関に尋ねたところ、「知らなかった」ことがわかりました。

もしも災害がおきたらみんなそこにいくのに・・。早速、避難所の持ち主との調整が始まりそうです。



社会保障と税の一体改革について思うこと [2012年01月09日(Mon)]
◆社会保障に障害福祉がなぜ入っていないの?
 社会保障改革に関する内閣府ホームページを眺めていましたが、今回の改革に障害福祉がでてきません。
分かりやすい資料としては概要や将来像がありますが確認してもやはり出てきません。

gaiyou.pdf


syouraizou.pdf

せめて、介護のなかには障害福祉が入っているかとおもいきや、やはり入っていません。
どうしてこのようなことになるのでしょうか。高齢者の介護対象者は国民の3%、障害者の場合は5%が対象といわれているばかりでなく、精神障害や発達障害などの一見してもわかりにくい障害で苦しんでいる人たちがさらに数多くいて、早急な対策の充実が求められているのに。。
改革の目指す姿に障害福祉を入れるべきということをまず申し上げたいと思います。

◆消費税の導入に伴い低所得者への給付制度導入の場合は、納税者番号制度の導入が不可欠です。
 所得税の納税は一般的に実際の所得のサラリーマンは約90%、自営業は約60%、農業は約40%に課税しており、いわゆる「くろよん」問題が存在しています。事業が成功して外車を乗り回している人も、保育園の保育料が最低価格だったり、公営住宅に入れたりしています。所得税の課税額を参考にして多くの行政が行われるのですが、もともとの課税額が平等ではないのです。
以上のような状態で、「低所得者に消費税増税に伴い給付」というのは納得が得られないでしょう。
概要の8ページに「給付付き税額控除については、番号制度等を前提に、社会保障制度の見直しと併せて検討。」とあり、この点は大前提として議論してほしいと思います。
もし、このことが改善できないなら、所得税率を下げ、消費税の率をもっとあげるべきでしょう。

◆「ピンピンコロリ」の徹底
 「ピンピンコロリ」についてインターネットを調べると、
「1980年、長野県下伊那郡高森町で、北沢豊治が健康長寿体操を考案。1983年、日本体育学会に「ピンピンコロリ (PPK) 運動について」と題し発表したのが始まり。長野県は男性の平均寿命が1位をキープしていることもあいまって、この運動の普及に力を入れている。2003年には県内でも有数の長寿を誇る佐久市に「ぴんころ地蔵」が建立されている。」とありました。 
 (入院することなく自宅で)コロリと死ぬその日までは、ピンピン元気に生きていくという考え方です。徹底した保健活動が前提ですが、「死に場所は自宅で」という住民の希望をかなえることを徹底しているのです。現実に医療費が全国一低く、長寿の人が沖縄県と競うくらい高い長野県に浸透していることから注目されています。地域医療をすすめる医療提供側の方向感とピンピンコロリを国民が納得し広めていくことが必要ですが、政策もこの方向に向かうことが財政の健全化につながっていくでしょうし、その改善をしなければ、消費税額はさらに上げざるを得ないでしょう。
 私の親戚の高齢者は、死ぬ間際の入院医療、薬漬けの医療、過剰な負担軽減策など高齢者に対する医療の在り方に疑問を投げかけ、「医療より外出支援策を」と言っておられました。
 国民の意見は様々だとは思いますが、ピンピンコロリとまったく逆の今の日本の現状を皆さんが実感しているとして、本当はどういう最後の迎え方を日本人が志向しているのか、そして、その志向をどのようにコーディネートしていべきか、一体改革のなかで考えるべきだと思います。  
 もちろんそのことにすでに気づいて、いち早く地域医療や相談体制を確立し展開をしている行政や医療機関等も増えてきましたが、この取り組みにより財政の健全化を早め、最も重視すべき教育・福祉に財源をシフトしていくことができると思います。
 教育・福祉への投資は、公共事業以上の効果が期待できる地域経済対策そのものであることは多くの方々が指摘しているとおりです。

◆高齢者が元気に生きていくために必要なこと、そして障害者にも便利なこと。
 サラリーマンには定年がありますので、その後の第二の人生を楽しく生き生きとしたものにするために、それこそ死ぬまでできる自営業(ラーメン屋、お弁当屋、農業、居宅介護等地域福祉事業etc)を起業しやすくすればいきがい対策としてもいいのではないかと思います。
 そして、年金については、どっかの国が取り入れている支給開始年齢自由化制度を取り入れ、支給開始が遅くなればなるほど高額な年金を受け取れるようにすればいいのではないかと思います。
 高齢者が自営業を始め、車の運転が危うくなってきても死ぬ直前まで働けるようにするためには、自家用車がなくても「安く、安全に、ドアツードア」で動けるようにすることが重要です。
 その救世主として今、最も注目されているのがデマンド交通(予約型乗合交通)です。乗り手としての登録が必要ですが、一度登録すれば、ITの進歩によりほぼタクシーと同様に、30分前の予約で自宅や自宅近くの場所まで来てくれて、乗合により移動しながら行きたいスーパーや病院などにドアツードアで移動できるのです。料金は行政が直接取り組む時は無料が多く、緑ナンバー事業者が取り組む場合でも一人当たり300円程度で移動できるようになります。乗合で他人の乗り場に寄り道することがいやな人はタクシーや家族の自家用車を選択すればいいわけです。バスは可能な限り長距離化、快速化を図ることで利便性が増すと思います。自家用車がなくても移動できることとなれば、自家用車をもつ人が減り、タクシーもバスも利用者が右肩上がりで増えるとみています。高齢化しているのに公共交通利用者が減っている現状は、やはりどこか改善すべき時が来ていると考えるべきだと思います。
 デマンド交通を取り組むために必要なものは、10人乗りのワンボックスカーとITを活用するための諸経費とオペレーターということになります。行政が取り組むもよし、事業者が取り組むもよし、いずれにしてもデマンド交通が当たり前になれば、重い障害のある障害者の通学や通院等の移動問題もドアツードア型で改善されていくと期待しています。国土交通省がこのことに早く真剣に取り組み様々な規制をなくしていくことが、今の日本には不可欠だと思います。

以上のようなことを消費税の導入前に着手できるかどうか、注目しています。
マスコミの報道について今年を総括して思うこと [2011年12月29日(Thu)]
今年ほど、マスコミの報道の在り方に疑問を感じたことはありませんでした。

まず、3.11当日の報道については、ただ空から波が押し寄せるのを眺めるだけでよかったのでしょうか。大変な災害が発生した場合に空からの情報伝達に一定の役割を果たすことができなかったのでしょうか。初動時に動けるわずかなツールを人命救助にも役立てることができるように改善してもらいたいとつくづく思います。大規模地震が発生したら、海の上に飛んでいき、津波をいち早く発見して生で放送すれば、どれだけ多くの人が助かっただろうかと残念でなりません。
 
 次に、3.11以後に大問題となった福島原発の放射性物質汚染状況の報道についてです。
 風の吹き具合で放射能はどこにでも飛んでいくのをみんながわかっていたのに、汚染状況の把握のために多額の税金を投入して導入した「スピーディ(SPEEDI。緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)」が存在することなど、事情を熟知していながらなぜマスコミは肝心な指摘を行政に対して行い、動かすことができなかったのでしょうか。
 行政の情報が出ないと何もできない体質なのでしょうか。国民のためのマスコミではないのでしょうか。最も腹立たしい出来事となってしまいました。適切なマスコミ活動があれば、どれだけ多くの人々の一生の不安を排除できたでしょうか。年末の事故の検証に係る報道を見れば見るほど、思えば思うほど残念でなりません。行政に対する強いプッシュはこういう時にこそ活かすべきだと思います。
 
 三番目はやらせメール問題に関する報道についてです。知事本人が何度も説明しているように、知事が直接「やらせ(偽装)メールを出しなさい」と指示をしたわけではないにもかかわらず、それこそしつこくやらせメールの発端になったと言い切ってしまうところが公正な報道と言えるのか、大いに疑問であると思っています。公正であるはずの第三者委員会の断定もしかりですが、きっかけとなったと断定している点でとても不可解な報道姿勢に思えてなりませんでした。電力会社の説明会に限らずいろんな公聴会では、様々な意見が出るように仕組んでいくのは当たり前のことであり、それまで当たり前に行われてきた動きの一つであることには一切目もくれず、知事発言がやらせメールの発端と言い切って世論を形成しようとやっきになっているのがとにもかくにも不可解に映りました。都合の悪い情報(公聴会に関するそれまで当たり前だった取組)を封印し、世論を作り上げていくマスコミの姿を見るようでとても不快な報道姿勢でした。
 スピーディの存在を指摘し、放射性物質が飛んできているのではないかと言い切って行政を動かし報道してほしいときには動かず、知事と電力会社の関係を疑うことには執着し、それこそ長期間にわたり原子力を今後どうするのかについての肝心な議論をまったくできないようにしてしまったマスコミの罪はかなり大きなものといわなければいけないと感じています。
 
 もっと国民の安全に直結するために、報道機関が活動していただくようにしてほしいと心から願っています。
冤罪 [2011年09月10日(Sat)]
冤罪事件で最も記憶に新しいのが村木厚子さんの事件です。

障害者団体向け割引郵便制度悪用事件ですが、
架空の障害者団体に割引郵便の適用対象となる団体認可を与えていたとされる事件で、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長だった村木厚子さんを「指示を行った」として逮捕起訴しましたが、大阪地方裁判所は2010年9月10日に無罪判決を下し、最高検察庁が上訴権を放棄して確定したものです。

判決確定後、大阪地方検察庁特捜部の組織ぐるみでの捏造の疑いが浮上しています。
主任検事が「証拠」として押収したフロッピーディスクの日付を改ざんしたとして、また当時の特捜部長・副部長が改ざんを知りながら放置したとして逮捕され、うち一人は実刑が確定しているものです。

「思いこみ」で逮捕されたら無罪を勝ち取るまでには大変なエネルギーが必要であることを村木さんの事件だけでも証明していますが、村木さんの事件はさらに、検察側のねつ造の体質や歴史を披歴した点で今までの事件とは大きく違っていると思います。

昔、研修で「12人の怒れる男」をみたことがあります。

父親殺しの罪に問われた少年(たしか黒人の子供だったと思います)の裁判で、陪審員が評決に達するまで一室で議論する様子を描いたものです。

法廷に提出された証拠や証言は被告である少年に圧倒的に不利なものであり、陪審員の大半は少年の有罪を確信していました。全陪審員一致で有罪になると思われたところ、ただ一人、陪審員8番だけが少年の無罪を主張していきます。
 彼は他の陪審員たちに、固定観念に囚われずに証拠の疑わしい点を一つ一つ再検証することを要求します。
 陪審員8番の熱意と理路整然とした推理によって、当初は少年の有罪を信じきっていた陪審員たちの心にも徐々にある変化が訪れ、ついには無罪を導き出すというものです。

ぶるぶるふるえて結果をおそれている黒人の子供の映像が今でも思い起こせます。

裁判員制度が始まったばかりの日本ですが、もし選ばれた人には是非見ていただきたい映画です。

人間は間違える。逆にいえば、間違えるから人間だともいえます。裁く方が人間である限り、今後も間違った判断や思い込みが絶えることはないと思います。

映画で出てくる11人も、人を裁くという大変な立場を軽く考え、「忙しいのにはやくやってしまおう」などという気持ちが誤った判断をさせていました。

「先入観や思い込みで勝手な判断をよく調べもせずにしてしまうこと。」には、
自分も含めてほんとに気をつけたいし、自分の一言で、大きな影響がある立場にある人は特に気をつけてほしいと思います。

「12人の怒れる男」で少年の無罪を証明する主役(ヘンリーフォンダ)やHEROの主役木村拓哉みたいに、にわとりどろぼうなどの小さな事件でも現場にいき正確な情報をつかみ判断する。いや、判断できる人に社会で大いに活躍してほしいと切に願っています。

村木さんの事件を繰り返しては、決してならないと思う今日この頃です。
スマイル [2011年08月07日(Sun)]
槇原敬之と美輪明宏のNHKの対談番組をみました。

「歌はすばらしい」ことを心から感じながら作曲したり歌ったりしている二人の対談の締めくくりは「スマイル」でした。

スマイルは世界共通の素敵なことば。。。ですね。

チャップリンが作曲し、モダンタイムスの最後に流れた曲をマイケルジャクソンがカバーしてます。
マイケルのスマイル

ナット・キング・コールのカバーはこちらで
吉野ヶ里町の山茶花の湯で [2011年08月04日(Thu)]
長崎自動車道東脊振インターをおりて山に向かって10分のところに吉野ヶ里町の山茶花の湯があります。

露天風呂からの眺めが最高で、ちょうど夕方だったことからひぐらしの鳴き声、お寺の鐘の音などが遠くからきこえてきてとてもリラックスできて気持ちよかったです。

横になれる広いスペースがあり、大の字で寝ていたところ、、アブがとんできました。

アブが苦手な私はバタバタとタオルを振り回していたら、となりで寝ていたおじいさんが「ここはアブが多かもんね」と手でアブをつかみ羽をむしって撃退してくれました。
それがきっかけで、そのおじいさんと会話がはじまりました。

若くみえましたが、87才になられていて、「60から膝の調子がわるくいろんな治療をしたけどよくならず、今はこの温泉に毎日きて現状を維持するのが日課です。自分で運転して車で移動していますが、車の運転ができなくなったら、もう何もかもできなくなります。年金生活者がタクシーを使うことなど、できません。」と言われていました。

私の父も83才まで運転していましたが、あちこちにへこみをつくって帰るようになりましたので、警察に免許証を取り上げてくれと頼んだり、医師にドクターストップをかけてくれと頼んだりしたことをふと思い出しました。

佐賀では、運転がいよいよできなくなったときは、買い物も、通院もままならず老化が加速して、完全介護状態にまもなく突入してしまうというのが現状で、昔からほとんど改善されていません。

しかも、高齢化が加速度的にすすみ、このままだと、高齢者による交通事故がうなぎ上りに増えるであろうことは容易に想像できます。

このような中、
佐賀県がクラウドコンピューターのシステムを活用したデマンド交通(乗り合いタクシー)の推進に着手しています。
一回300円(障害者はその半額)程度の負担で、乗り合いで買い物にも通院にも気軽に出かけられるでしょうし、基本はドアツードアですので、自宅近くの例えばゴミステーションなどが、その自治会の乗車場になれば自治会の仲間と一緒に買い物に行く楽しみも生まれることでしょう。
 このデマンド交通を、安全がしっかり確保された緑ナンバーの事業者さんや福祉有償運送事業者さんが公共交通の枠組みのなかでしっかり取り組めば安心して免許証の返上ができる環境ができるかもしれません。

デマンド交通が当たり前の世の中になり、公共交通全体の利用者が増え、街に活気がうまれることを願ってやみません。

痛いといっておられた足をすこしひきずり加減でゆっくりあるいていかれるおじいさんに「お気をつけて」と声をかけながらみんなで力を合わせてなんとかならないかなぁと強く思いました。
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