2025年09月14日(Sun)
企業、NPO、生産者による食料寄付活動<ぱれっと取材日誌>協働によるまちづくり
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こんにちは。スタッフの松村です。 私たちの暮らしの中にある社会課題は、様々な要因が複雑に絡み合っています。サポセンニュースレター「ぱれっと」では、その複雑な課題の解決のために、NPOや企業、行政、市民一人ひとりが解決の担い手として力を合わせる姿をご紹介しています。 ぱれっと9月号でご紹介したのは、NPO法人フードバンク仙台、お茶の井ヶ田株式会社、農家の方々が、普段の生業の延長線上で力を出し合い、生活困窮者支援に取り組む事例です。活動の参考に、ぜひご覧ください。 さて、本ブログでは、取材の様子をちょこっとご紹介します。 今回の活動の舞台、お茶の井ヶ田が2014年に秋保地域の開設した観光商業施設「秋保ヴィレッジ」にお邪魔しました。 お話を伺ったのは、NPO法人フードバンク仙台の郷原あゆかさん、お茶の井ヶ田株式会社の石垣直哉さん、契約農家の一人、なくら農園の奈倉弘さんです。 ▲農産物直売所「アグリエの森」 農産物直売所の契約農家は、約270人。 農家の方々が、売りに出せない規格外の青果などをフードバンク仙台に寄付し、食料を必要としている人に届けます。届けるのは、市内で生活に困窮するシングルマザーや外国人、高齢者など。野菜の値段も高騰しているため、とても喜ばれるそうです。 ▲フードボックスを持つ郷原さんと、ミニトマトを寄付する「なくら農園」の奈倉さん。 ▲契約農家とフードバンク仙台をつないだ石垣さん 今回の食料支援の取り組みは、フードバンク仙台が「秋保ヴィレッジ」を運営するお茶の井ヶ田株式会社に協力を依頼したことから始まったそうですが、すんなり話が通ったのか、気になるところ…。 しかし「特に迷うことはなく…地域の一員として、できることがあるならと思いました」と石垣さん!「秋保ヴィレッジ」開設から11年、石垣さんら社員のみなさんは地域の方々や契約農家の方々との関係を丁寧に築いてきました。契約農家の方が子ども食堂を開いていると聞けば、包装不良等で出荷できなかった自社の菓子製品を寄付したり、地域のお祭りに参加したり。石垣さんは「地元の人たちとの支え合いに参加してきた経験が、社員のみなさんの意識をつくっているのだと思います」と、教えてくださいました。 ▲「受け入れてもらえてほっとした」と、当時を振り返る郷原さん 郷原さんらフードバンク仙台のメンバーは、毎週月曜日に青果搬入口に立ち、農家の方々に困窮世帯の現状を伝え、寄付への協力を呼び掛けています。石垣さんは「私たちが寄付を強制しているわけではないんですよ。フードバンク仙台のみなさんが熱心にチラシを配ったりしてるから」と、労をねぎらいます。 奈倉さんは「そういう貧困の問題は、なかなか表に見えないですよね。私も話を聞くまで知らずにいました」と話し、出荷できない野菜があれば積極的に寄付をしています。他にも、多くの農家の方々が協力しているそうです。 ▲奈倉さんの販売コーナー 帰りはもちろん、新鮮な野菜を購入して帰りました いつものスーパーにはない品種や直売所ならではのお値段に興奮しつつ、「秋保ヴィレッジ」をしっかり楽しんできました。 ▲お客さんが食品を寄付できるフードボックスも設置されていました。 ぱれっと9月号では、生活困窮者の現状や、協働継続のコツなども掲載しています。 ぜひご覧くださいませ。 |





