スタッフの水原です。
2月22日に、サポセンにて
「協働の現場トーーク!」を開催しました。「協働の現場トーーク!」は、協働によって地域の課題解決や魅力向上に取り組むゲストを迎え、お話をお聞きするトーークセッションです。
今回は、
Studio Soda Sendai 恐山・R・クロフォードさんから、協働の実践者だから話せる生の声をトーク形式でお聞きしました。
Studio Soda Sendaiは、2022年・2023年度連続で、仙台市との協働助成事業である、ユースチャレンジ!コラボプロジェクト(若者版・市民協働事業提案制度)に採択されました。これを活用して仙台市と協働し、公共空間である青葉通地下道 イベント広場内( 宮城県仙台市青葉区一番町3丁目1) でのマーケットイベント「地下道-3150(サイコー)」を開催しました。
※今回の「協働の現場トーーク!」は、サポセン主催事業「協働ゼミ」の第4回「協働の実態を知ろう」にあたります。
▲ゲストの恐山さん(左)、インタビュアーはサポセンスタッフ(右)
「地下道-3150」とは?〜ねらい&どんなイベントか?〜人と違う自分でありたい人、人と違っていいのか悩む人をはじめ、誰もがのびのびと「好きなモノ・コト」を発表できる場をつくろうと開かれたマーケットです。サブカルチャー雑貨や洋服、同人誌を販売するブースを出店したり、体験型ワークショップなどを行いました。
▲「協働の現場トーーク!」参加者は8名、うち市民活動団体は3団体3名の参加がありました
すべては立ち話からはじまった!Studio Soda Sendaiでは、宮城のマニアックな魅力を発掘し発信するWebメディア「ウラロジ仙台」の運営を行っており、恐山さんはウラロジ仙台の編集長を務めています。2022年9月〜10月に行われた仙台市による青葉通仙台駅前エリア社会実験「MOVE MOVE」の際には、仙台市職員からMOVE MOVEを追う記事の執筆依頼を受けました。その取材の際に交わされた立ち話が…
市職員「うちも地下道を使って何かできないか考えているんだ」
恐山さん「マルシェとかできたら面白そう」
市職員「じゃあ、やってみたら?」
恐山さん「!!」
このやり取りに加えて「ユースチャレンジ!コラボプロジェクト(若者版・市民協働事業提案制度)を活用したらどうか」という市職員からの提案があり、「地下道-3150(サイコー)」の構想が動き出しました。マイナーなカルチャーと地下道というイメージが ”合致” した瞬間です。
恐山さんのお話からわかった協働の難しさと面白さ〇行政は一つひとつの決定に時間がかかるため、民間とは事業をすすめるスピード感が違う。
・組織の違いを踏まえてのスケジュールの組み立てが必要。
・連携していくには、互いの信頼関係の積み上げが大事。
〇民間のノウハウだけではイベントはできなかった。
・地下道はあくまでも道路なので、道路使用許可、警察署の許可、さまざまな手続きが煩雑だったから。
・初年度は特に、地下道でのイベント自体が初のはじめての試みで、警察への説明が難しく、警察署にも行政職員が一緒についてきてくれて心強かった。
・NPO法人都市デザインワークスのサポートや、青葉通まちづくり協議会からサポートしてもらえた。
継続することのチカラ〇1年目は知り合いに声をかけて出展者を募ったが、2年目はコンセプトを明確化して、仙台で未だ表立ったイベントに出たことが無い人を優先して声がけした。発表の場を見つけられないでいるクリエイターに活躍の場を提供することができた。
〇2年目に道路使用許可をもらいに行くと、「ああ、君たちね」と話がスムーズだった。行政が信頼性を担保してくれたのは大きかった。
運営に関わったのは事務局と出展者だけではない〇出展者の中で、2年目には様々な理由で出展できなかった人が、場づくりを手伝ってくれたり、開催時間に来られない人が、片付けだけでもと手伝ってくれたりした。
〇お客さんの中には、賑わいを眺めて楽しんでいる人や、出展者によるラジオ放送を聴くだけの人がいたり、買う・売るだけではない参加があった。
地下道3150のもう一つの目的である、仙台駅以外のエリアへ足を運ぶ目的ときっかけの造成や、「不便な場所」から「滞在目的地」としての地下道のイメージアップが図れるイベントになったのではないでしょうか。
恐山さんへの質問ターーイム今回は、まちづくりに関わる様々な課の市職員の参加があり、発言いただきました。
例えば、
「支援する側である仙台市が、市の内部でも担当局の壁を超えてコミュニケーションを取らないと、一方で“やりましょう!とアクセル踏んで”、一方で“ちょっと待ってください”という状況になってしまい、団体さんを困らせてしまう」との思いを吐露や、
「協働と支援の違いって何でしょうか?」という質問の際には、「制度利用の期間が終わった後にも協働というカタチは続いていくものなのだろうか?」という問いにまで話が発展しました。
サポセンとしては、同じ思いを持つことが協働であり、助成金支援が終わった後も繫がりが終わるわけではないと回答。「それなら分かる」と返していただけたことなどから、協働への理解がより深まる意見交換の場になりました。
また、参加した市民活動団体の皆さんからは、恐山さんたちが苦労してイベント開催したことへの労いの声が多くあがりました。恐山さんの活動に対するひたむきな姿勢への共感から、熱い質問や感想につながり、場の空気が温かいものになったのだと思います。
恐山さん、ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。
団体からお知らせStudio Soda Sendaiでは、経理・会計を募集中。
同時に「地下道-3150」の開催資金も募っています。ご連絡は「Studio Soda Sendai」HPまで-------
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