スタッフの水原です。
「いづいっちゃんねる」は、毎回ひとつの社会課題をテーマに、仙台市を中心に県内で課題解決に取り組んでいる団体をお招きし、現場で活動する人たちの生の声をお届けしている番組です。今年度もローカルニュースサイトTOHOKU360とサポセンが協働で配信いたしますので、ぜひご覧ください。
2022年2月28日の配信では、八木山地域再生創生ボランティアグループYARVOG(やーぼじー)の皆さんをゲストにお迎えして、
『それ行け!YARVOG 防災びっくり新常識』と題した番組を生配信しました。
先日も、市民ライターが番組を視聴して寄せてくれた
レポートをブログでご紹介しましたが、つづけまして、同じ番組の視聴レポートを市民ライターの福地裕明さんから投稿いただきましたので、ご紹介したいと思います。
---------
防災の取り組みを長続きさせるにはまた3月11日がやってきました。震災から11年が過ぎたんだなと思った矢先の3月16日の大地震。11年前をリアルに思い出した方も多いかと思います。防災の取り組みは大事だと思いつつも、時が経つとその思いが薄れていくのも実情。今回、大変な目に合いながらも、また数年経てば忘れてしまうかもしれません。
防災の取り組みをいかに地域間で共有化し、根付かせていくか。人間は忘れる生き物だし、地域には町内会などの役員交代、住民の世代交代などといった課題があり一筋縄ではいかないと感じています。
地域防災はどちらかと言えば固く、真面目なテーマです。座学などで「大事だよ」「みんなで取り組もう」と言われても、なかなか実行に移せるものではありません。
そんなことを思っていたところ、「防災びっくり新常識」というタイトルの動画があると知り、少しでも自身が抱くモヤモヤの解消につながるといいな…と軽い気持ちで視聴してみました。
結論から言えば、大正解。オンライン画面に登場したボウサイ仮面と防災レディのインパクトは強烈でした。一言も喋らないのですが、「何かしでかすのでは?」とドキドキしながら最後まで見続けちゃいました。
私が求めていたものは、まさにこれだと確信しました。当事者以外の無関心な人々を巻き込むためには、真面目な中にも何か、「気軽さ」とか「楽しさ」といったアソビゴコロが不可欠だと思うのです。
防災活動への参加率に悩まれている地域の方々は、ぜひともYARVOGさんの活動を見習ってほしいです!
この動画をご覧になる際にはぜひ、YARVOGさんも構成メンバーの一員である「仙台八木山防災連絡会」の取り組みが紹介されている「ぱれっと」2022年2月号を手元に置いてご覧ください。
巻き込み方にひと工夫地域防災の主体はどこでも概ね高齢の方だと思います。いわゆる住宅地の場合は、平日の日中に災害が発生してしまえば、高齢者と中学生以下の子どもたちが主体となって対応せざるを得ないというのが現実ではないでしょうか。
こうした「実情」に早く気づいた地域や町内会では、中学生に一定の役割を担ってもらっているようです。YARVOGの活動でも、中学生がボランティアで参加していることを紹介していましたが、中でも感心したことは、「地域防災シンポジウム」などといった会合の場で、子どもたちにも大人と同じテーブルで話し合いに参加させているということでした。子どもたちが「自分たちは役に立つ存在だ」と自覚してもらうためには、「同じテーブル」で「話し合いに参加する」といった当事者意識が欠かせません。きっと彼らは、有事にも自発的に動けるはずです。
こうやって子どもたちが主体的に、楽しく防災活動に参加するようになれば、その親たちも「子どもたち、どんなことやってるのだろう?」と気になって、顔を出すようになると思うのです。そうなると、概ね全ての世代を地域防災の輪に巻き込むことができるのではないかと思います。
一番の防災対策は、普段からの関係づくり動画の中では、防災に関するさまざまな「常識」を疑ってほしいとありました。その内容について私はここでは触れません。動画をご覧いただき、皆さんがそれぞれ感じて、考えてほしいと思います。
それよりも何よりも、私が強く感じて、かつ、皆さんに伝えたいことは、「日常やっていないことは,非日常(災害時)もできない」ということ。普段から備え、訓練しているからこそ、有事に動けるというものです。その考えを突き詰めていけば、「普段からの関係づくりが一番の防災対策」ということになります。ご近所にどんな方が暮らしていて、どこに何があるか普段から把握しておけば混乱することもありません。YARVOGの取り組みはまさに、その点を突き詰めていると感じました
ただ心配なのは、せっかくこれまで積み重ねてきた各地の防災の取り組みが、コロナ禍の影響で、本番さながらの訓練ができなくなったり、そこに町内会役員の交代が重なることで引き継がれなくなったりすることで萎んでいくこと。これだけは絶対に避けたいものです。
だからこそ、楽しんで防災を学べる、多くの人々、さまざまな世代を巻き込める活動が必要なのだろうなと強く感じました。
市民ライター 福地裕明
----------------------------------------------------------------------
↓「いづいっちゃんねる」は他にも様々なテーマで配信しています↓
↑これまでの配信はこちらからまとめてご覧いただけます↑