2022年03月31日(Thu)
防災を切り口とした地域社会の再生と創生の試み<市民ライターレポート配信企画>いづいっちゃんねる
スタッフの水原です。 皆さんは、動画配信番組「いづいっちゃんねる」をご覧になったことはありますでしょうか?「いづいっちゃんねる」は、ローカルニュースサイトTOHOKU360とサポセンが協働で行うインターネット配信番組です。毎回ひとつの社会課題をテーマに、仙台市を中心に県内で課題解決に取り組んでいる団体をお招きし、現場で活動する人たちの生の声をお届けしています。 2022年2月28日の配信のゲストは、八木山地域再生創生ボランティアグループYARVOG(やーぼじー)の皆さんでした。『それ行け!YARVOG 防災びっくり新常識』と題し、視聴者のコメントを交えながら生配信を実施しました。 今回は、日ごろから災害時にいかに対処するかを楽しみながら実践している市民ライターの関野頼利さんが、番組を視聴して感想を寄せてくれました。ぜひご覧ください。 ---------- 防災を切り口とした地域社会の再生と創生の試み 3.16大地震 激しい揺れにどのような反応ができたでしょう。仙台城址では石垣の崩落や地割れが生じ、政宗騎馬像も傾きました。 身を守る行動は? 「揺れに気づくや否や自分の置かれた状況や周囲の危険を確認、と同時に身を䍩して守るべきものや人があるか判断、避難路を検討、揺れの収まり具合を見つつ火の元ほか危険箇所に対処」、そのように体がひとりでに動きサバイバル感覚がすぐに現れた、という方もおられたかもしれません。冷や汗をかいた場面の対策は進んでいますか? YARVOGの防災活動とは? 専門家の防災教育や訓練は、災害予防や初動、備蓄や支援体制構築といった模範知識の習得が定番ではないでしょうか?2018年に結成されたYARVOGは、生活に降りかかる災いの克服に焦点を当てて新常識を説きます。トイレ作りのワークショップや自宅の食材や器具でまかなう「八木山版の非常食レシピ」開発といった、避難所や市販の非常食に頼らないサバイバル啓発にはとても共感しました。 私の防災意識との繋がり 1995年の阪神淡路大震災時、大阪に住んでいました。どこで始まりいつ終わるともしれない火事、破壊物の積み上がり、インフラ遮断による通信や飲食の途絶、トイレ問題といった、二次災害ではあっても広域で長期間の災いは、それまでの常識では計り知れないものでした。 以来揺れ対策にとどまらず、簡易トイレや水の浄化器具の入手、キャンプ用品の防災活用、食料調達・調理・保存の情報を集めたり試したりと、日常のサバイバルを積極的に楽しんできました。YARVOGの活動に共感する土壌がここにあります。 YARVOGと防災と地域社会の再生・創生に共通するもの この配信を観た後、YARVOG(母体は仙台八木山防災連絡会)の名称(Yagiyama Area Reproduce Volunteer Group)に、防災の文字がないことに気づきました。ぼうさいダンス・ボウサイ仮面・防災レディといった親しみの資産や地域独自の防災活動実績が、地域社会の再生・創生活動を産み出す糧となるに違いないと考えての命名と思います。2021年には「防災キャンドルナイト」と称した地域外からの見物客も交えたイベントを開催し、キャンドルを作るのも片付けるのも来訪者という仕掛けで、作り手側と来訪者との一体感を醸し出すことに成功します。 配信では「助ける人(支援者)助けられる人(避難者)を固定させることのない、助け合いの場(避難所)を作る」と説かれます。サバイバル啓発、現代地域社会の再生・創生に関わる活動、YARVOGの新常識、全ての本質がすべてここにあります。これは実は新しいことではなく、意識から落とされがちになっていただけのようにも思いました。 最後に、配信から受け取ったものをあげて文章を閉じることとします。 ・日常やっていないことは非常時もできない ・防災も地域活動も社会全体を取り込む仕掛けが大切 ・相手に届かないのは、発信していないか直に届けていないから ・サバイバルは、自身はもとより命やものを救う術であり、助けあい ・新常識とは、置き換えるものではなく取り戻すもの 市民ライター 関野頼利 ---------------------------------------------------------------------- ↓「いづいっちゃんねる」は他にも様々なテーマで配信しています↓ ![]() ↑これまでの配信はこちらからまとめてご覧いただけます↑ |