• もっと見る
« 2015年11月 | Main | 2016年01月»
プロフィール

サポセン@仙台さんの画像
サポセン@仙台
プロフィール
ブログ
<< 2015年12月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
カテゴリアーカイブ
最新記事
検索
検索語句
月別アーカイブ
リンク集
bnr_01.jpg
https://blog.canpan.info/fukkou/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/fukkou/index2_0.xml
2015年12月23日(Wed) 今、求められる福祉文化の創造とは<地域福祉フォーラム 住民参加から広がる、支え合いのまちづくり>


こんにちは。スタッフの佐藤です。

2015年12月1日(火)14:00〜16:30。サポセン地下にある市民活動シアターにて、地域福祉フォーラム「住民参加から広がる、支え合いのまちづくり」を開催しました。

1.jpg

▲今回は、NPOと泉区将監地区の地域住民が協働で取り組むサロン活動を事例に、今後の地域福祉の在り方を話し合いました。

2015 年の介護保険法の改正に伴い、要支援の高齢者向けサービスが自治体の事業に移行することが決まりました。仙台市は2017 年からの実施を決め、サービス実施に向けた整備を進めています。
それに伴い担い手には、市民ボランティアの力が期待されていますが、地域における支え合いの担い手不足は、これまでも課題とされてきました。高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けるためには、公的サービスはもちろん、家族や地域住民、ボランティア、NPO による支え合いの充実が必須です。


第一部〈基調講演&事例報告〉

2.jpg

▲東北学院大学経済学部共生社会経済学科 教授 阿部重樹さんに、 
仙台市の福祉施策の現状や、福祉文化の創造について基調講演いただきました。

「福祉文化」とは、身近な地域社会の中で多様な人々の多様な生活課題に対し、地域全体で取り組む「支え合いの文化」と言えます。「福祉文化の創造」という言葉は2000年台前半から使われ始め、2002年には厚生労働省の社会保障審議会福祉部会から出された指針において、明文化されていました。

しかしながら、2015年現在、仙台市社会福祉協議会が行った地域福祉の担い手へのアンケートやヒヤリング調査からは、
@地域住民の地域への関心の低さ・地域活動に協力する住民の少なさ。
A活動メンバーの不足
B地域全体の人と人とのつながりの希薄化
C地域から孤立している世帯への関わりや支援の不足
という四つの課題が浮かび上がりました。

阿部先生は、「各地域の実情に合わせた工夫と積極的な取り組みが着実に積み重ねられてきている」と評価する一方で、他方では、アンケート調査結果から「この10年の間にどのような福祉文化を創造できたと言えるのだろうか」と振り返ります。

最後に、地域包括ケアシステム構築の目途とされる2025年まで10年、福祉文化を創造するには「人と人とのつながりの大切さへの気づき、見守りや日常的な生活支援を行う担い手の育成、多様な地域福祉活動におけるまとめ役の育成、地域住民主体の話し合いの場やネットワークづくりが必要だ」とまとめました。


事例報告

3.jpg

▲事例報告は、NPO福祉ねっと宮城 藤田佐和子さん。
泉区将監地区でサロンを始めた経緯や活動の様子を紹介いただきました。

2013年、NPO福祉ねっと宮城は、仙台市内で福祉サービスを提供する11のNPOがネットワークを結び活動を始めました。市内で実施されているインフォーマルサービスの実態調査やボランティア意識調査から、地域住民の参加と活動の場づくりの必要性を強く感じ、行政や関係機関と連携会議を行うとともに、担い手育成のためにボランティア養成講座を実施しています。

泉区将監地区で開催するサロンは、食事の支援を必要とする高齢者に配色サービスを行うボランティア団体「けやきグループ」とともに運営。「サロンは地域住民の交流場所に留まらず、ボランティアの活動の場や、担い手育成の場としてとらえている」と藤田さんは語り、住民がお互いに支え合うための土台づくりが進んでいます。


4.jpg

▲次の事例報告は、将監中央町内会会長 高橋節子さん。
町内会の活動やテーマ型のNPOとの協力体制についてお話しいただきました。

高橋さんはNPO福祉ねっと宮城とけやきグループが将監地区でサロン活動を始めるに当たり、当初から活動場所の提供や地域住民への情報周知に尽力されてきました。
高橋さんは「将監地区は一つのサロンだけではカバーできない。今後もこうしたサロンが1つでも多くできることに期待したい」としながらも、運営の担い手確保に課題を感じています。


第二部〈パネルディスカッション〉

6.jpg

▲多様な主体が協力体制を取りながら、地域課題に取り組むに至った経緯、協働で地域福祉に取り組む際の課題や、今後の支援のあり方などをテーマに、阿部先生がコーディネーターとなり、関係者と対話を深めました。

■パネリスト
 NPO福祉ねっと宮城 事務局長 藤田 佐和子さん
 将監中央町内会 会長 高橋 節子さん
 けやきグループ 代表 齊藤 幸子さん
 仙台市社会福祉協議会 泉区事務所 係長・所長代理 春 由美さん
 南中山地域包括支援センター 所長 山路 百合子さん

5.jpg

▲サロン活動を始めるにあたっての「とまどい」や「期待」など、活動者の生の声を伺いました。
 

終了後のアンケートでは
「地域づくりのヒントは、地域で活動する人たちの活動の中にあると思った」
「地域活動者の生の声を聞き、人材不足で大変な状況にあることが分かった」
「まずは地域の行事に参加して、地域活動に取り組んでいきたい」
「自分にできるボランティア活動を始めたいと思った」
「できるか、できないか。じゃなく。やるか、やらないかだ!!に共感しました」
など、たくさんの感想をいただきました。

今こそ、人口減少・少子超高齢社会の中を生きていく市民一人ひとりが、地域福祉に係る市民力の底辺の広がりと底上げについて、見つめ直すことが求められています。

位置情報今後も、サポートセンターでは、先進事例で明らかになった地域・社会の課題をテーマに、多主体がその解決のためのアイデアを交換する対話の場づくりをおこなう予定です。

ご来場の皆様、パネリストの皆様、ありがとうございました。
| 次へ