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2015年06月25日(Thu) 観劇から参劇へー子どもたちのためのシアター


「おはようシアター」代表の川熊美貴さん(33)は、県内の大学在学中に演劇を始めた。卒業後、仙台市を拠点に演劇を続けながら中・高校で美術教師と児童館職員を経験した。頭の中にはいつも「子どもたちのための演劇」があった。

2011年3月の東日本大震災後、年齢や性別、職業の違う8人が集まった。その年の6月に「おはようシアター」を設立した。

震災で避難所など窮屈な空間での生活を余儀なくされた子どもたちのために「おはようシアター☆おもちゃ箱」は、活動1年目に完成させた演劇プログラムだ。恐怖心を与えないように、キャラクターに扮した俳優たちは、こどもの目線に合わせて挨拶をする。劇場は、いつも通う幼稚園や児童館の室内だ。大きなホールで、場内は暗くなり、椅子に長時間じっと座って居なくてはならないものとは真逆の空間と演出だ。

オープニングにアコーディオンやウクレレの音が響くと、子どもたちは自然と歌いリズムをとり始める。年齢に合わせた手遊びや体操は、子どもたちの笑顔を誘う。様子を探りながら、即興的にやり取りしていくのが、おはようシアター流だ。いつもの場所が、何が飛び出すのか分からない「おもちゃ箱」に変わる。施設の担当者は、口々に「45分もの長い時間を楽しそうに集中している子どもたちに驚いた」という。

活動当初に言われた「一度だけの支援なら必要ない」が、耳から離れない。岩手・宮城・福島の同じ施設に何度も足を運び演じた。活動から4年が過ぎた今、馴染みの施設から依頼が多い。劇場の「敷居を下げ」「扉を広げた」参劇が大人たちにも認められた。

今後の課題は「気軽に幼児親子が文化芸術体験のできる拠点をつくり、一緒に活動する仲間を増やすこと」と川熊さんは語る。

お問合せはTEL080-3145-6538(代表 川熊美貴さん) E-mail:ohayotheater@gmail.com

「おはようシアター」.jpg
▲ かえるのおじいさんやひめ、あやねこのキャラクターと一緒におどる子どもたち



(大崎市 泉久恵)
2015年06月25日(Thu) 若者×復興=?


土曜日の昼下がり、仙台市若林区荒井にある七郷中学校隣の空き地に、軽トラックがやってきた。降りてきた若者が箱型の荷台を開けると、にんじん、大根、ほうれん草…。午前中に区内の農家から受け取ったばかりの採れたて野菜がところせましと並んでいた。販売を担うのは宮城県内の大学生ら90人でつくるボランティア団体「ReRoots」。車で商うマーケット(市場)だから「くるまぁと」(正式名称:若林区とれたて野菜お届けショップ くるまぁと)と銘打って、担当学生6人が週一回、接客の最前線に立つ。

販売場所は午後2時〜3時が七郷中学校隣で、午後3時30分〜4時30分が荒井東復興公営住宅。被災した農家が再起して育てた野菜を消費者につなぐ支援活動だ。荒井地区には、復興公営住宅などが立ち並び、方々から移転してきた人たちが住んでいる。東北大2年生の大里武さん(19)はくるまぁとの役割は、農家の売り上げの支援だけではなく、移転してきた人たち同士をつなぐ「媒介」と位置付けている。

「コミュニティ作りのきっかけは、互いに顔見知りになることから。くるまぁとを通じて多くの地元住民がまずは顔見知りになってもらいたいです」
ReRootsは震災直後の2011年4月18日に始動した。「復旧から復興へ、そして地域おこしへ」をコンセプトで活動を続けてきた。被災農地の瓦礫撤去など「復旧」ステージには一定のめどが付いたが、「それだけでは次の復興につながらない」。と大里さんは語る。
「行政の復興政策が地元住民である農家の意見を反映させているとは限りません。農家一人ひとりが『この地域を復興させてやる』という強い思いを持つ必要があると思います。ReRootsはそのような農家の意見や尊厳を大切にした活動を行っていきます」

震災から4年以上が経ち、被災地は「復旧」から「復興・地域おこし」のステージへと進んでいる。仙台の被災地ではReRootsの若者がステージ作りの一翼を担っている。


若者×復興=?.jpg
▲野菜販売を通して、人と人とをつなごうと努める「ReRoots」のメンバー。右から2人目が大里さん=仙台市若林区荒井 七郷中学校隣



(仙台市若林区 斉藤利直)
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