2024年05月26日(Sun)
<開催報告>防災と自治〜相互扶助の起点づくりから考える〜せんだい・みやぎソーシャルハブ
こんにちは。スタッフの青木です。 サポセンは「せんだい・みやぎソーシャルハブ」とともに、社会課題解決のプラットフォームをつくっています。せんだい・みやぎソーシャルハブとは、市民目線で気づいた社会課題に対し、NPO、行政、企業、志のある個人など多様な主体が力を合わせ、課題解決のために力を発揮する環境をつくることを目的とした場です。 取り組みの一つ、「情報交換会(セッション)」は、サポセンと共催で月1回開催しており、毎回まちづくりの多様な主体が集まります。 ![]() 5月16日(木)は、令和6年度初めての情報交換会でした。 令和元年度から開いてきた情報交換会には、これまでNPO、行政、企業、大学など様々な属性の方々のべ608人が参加しました。 ![]() ▲進行役の渡辺一馬さん せんだい・みやぎソーシャルハブの渡辺一馬さんから、「今年度は、さらなるネットワークの強化と、新たなつながりを育むために、誰もが当事者になる得る”防災と自治”をテーマに設定します」と、今後の場の持ち方について共有がありました。 ほか、参加団体等からの持ち込みテーマで課題を深める場を開いたり、外部の情報交換会とのコラボレーションを行ったりしていきます。 さて、今回は、「防災と自治〜相互扶助の起点づくりから考える〜」と題し、ゲストを招いての情報交換会を開きました。当日は、県内外から16名(会場9名、オンライン7名)の方々が参加しました。 昨今、町内会を軸とした防災の取り組みは比較的進んでいる一方で、仙台には大学が多くあり、また支店経済都市という特徴から転出入が激しく、地縁組織とは縁遠い人も多くいます。ゲストからのお話をもとに、地縁や血縁などの既存のつながりに限らない、多様なコミュニティづくりについて皆さんと考えました。 ゲストには、福岡県久留米市の社会福祉法人 拓く(以下、拓く)のみなさんと、仙台で独身女子防災プロジェクトを始めた北村育美さんをお招きしました。 ![]() ![]() ![]() 拓くの代表理事 馬場篤子さん(写真左上)、鴨崎貴泰さん(写真右上)、村谷純子さん(写真左下)からは、本業+αプロジェクトという取り組みについてお話をいただきました。 “本業(商売)”を営みながら、お店の店主などが、地域や知り合いの「困った」や「やってみたい」の声をひろい、“+α”の地域に優しい取り組みをする地域プロジェクトです。例えば、駄菓子屋さん、床屋さん、唐揚げ屋さんといった地域の商店が、本業にプラスして地域の「小さな拠り所」を担っています。 店主の方々にとっての「+α」は、新たな企画等をつくり地域に優しいことをしようというものではなく、日頃の生業の延長線上で、店とお客という関係を少しだけ超えてみるような感覚なのだそう。飲み屋のママさんたちが、店に来る孤立しがちな40代以上の単身男性などと「ショローズ(初老)」というソフトボールチームを作った事例が面白かったです ![]() ![]() プロジェクト代表の村谷さんは「課題から入る相談と違い、生活の延長で、関心から繋がるご縁は気楽で話しやすく、繋がりも深まりやすい」と言います。平時におけるこういった居場所が、災害が起きた時には防災拠点として機能しているとのことでした。 ![]() ▲北村さん 独身女子防災プロジェクトの北村さんからは、「つながりのない人=災害弱者」という視点から、平時に多様なコミュニティにつながりにくく、有事の際は支援の対象だと思われない、単身・単身の女性たちの存在について情報提供いただきました。 北村さんが主催する、「働き女子(単身・独身)のための防災カフェ」では、「災害時の不安はあるがどうしたらいいかわからない」「ハザードマップを見たことがない」といった声が寄せられています。この防災カフェが、既存のコミュニティに入っていくのが難しい単身女性の居場所となっているとのことでした。 質疑応答を兼ねた意見交換では、参加者の方から「人とのつながりをつくっていきたいが、関わりをもつことがリスクという考えもある。踏み込むにはどうしたら…」という町内会役員の方からの疑問や、「最近仙台に越してきたばかりで、北村さんの活動にとても共感し涙が出そう」といった単身女性の意見がありました。 意見交換の内容を含め、詳しい報告は、せんだい・みやぎソーシャルハブのnoteにてご確認ください! ▲「私」を起点としたさまざまな意見交換と交流ができ、今回のお話をそれぞれの活動現場や暮らしに持ち帰ってくださったようです。 次回は7月18日(木)です。他団体との共催企画を予定しています。ぜひご参加ください! ※6月は情報交換会を開催しませんのでご注意ください |