2020年08月31日(Mon)
ホームレス支援の現場の声を聞き、感じたこと<市民ライターレポート配信企画>
サポセンでは、8月から、「いづいっちゃんねる」という動画配信事業を始めました。 「いづいっちゃんねる」は、ローカルニュースサイトTOHOKU360とサポセンが協働で行うインターネット配信番組です。毎回ひとつの社会課題をテーマに、仙台市を中心に県内で課題解決に取り組んでいる団体をお招きし、現場で活動する人たちの生の声をお届けします。 8月21日(土)の放送では、仙台市内で路上生活を余儀なくされているホームレスの方々へ生活・就労に関する支援を行っている、NPO法人萌友(ほうゆう)の代表、芳賀隆太朗さんをゲストに、支援現場の現状と課題について伺いました。 さて、視聴者の方々は何を思ったのでしょう。 番組を視聴してくれた市民ライターの平塚千絵さんのレポートをご紹介します。 ---------------------------------------------------------------------------- ホームレス支援の現場の声を聞き、感じたこと 市民ライターの平塚です。 今回、「いずいっちゃんねる」を通して、仙台のホームレス支援団体「NPO法人萌友」代表の芳賀隆太朗さんのお話を拝聴しました。 今回のテーマに興味を抱いたのは、仙台市内で「BIG ISSUE」を購入した経験があったことや、4月に「新型コロナウイルスの影響で路上生活者が増加している」という報道を目にしたことでした。仙台のホームレス事情や、自分にもできる支援の形を知りたいと思っていました。 「萌友」が続けてきた支援 番組の内容は、団体設立の経緯や、活動内容の後、「なぜホームレスになるのか」、「仙台のホームレスの特徴」、「ホームレスの自立の難しさと必要な支援」についてでした。 芳賀さんは週1〜2回の「夜回り」「食事会」「炊き出し」を行い、路上生活者の安否確認をしつつ、コミュニケーションをとります。また、住居支援として無料低額宿泊所を運営し、生計困難者が自立に必須となる課題に一緒に取り組んでいます。長い間、最前線で支援に取り組んできた芳賀さんのお話は当事者に寄り添う誠実さが感じられ、心に響くものがありました。 本人だけでは難しい、課題解決 特に印象に残ったのは、ホームレスの自立の難しさと、必要な支援についてでした。芳賀さんは、ホームレスになる理由として、「失業、金銭問題の他、病気や怪我、いじめや養育の過程での虐待、災害などで働くことが困難になり、経済的困窮に陥る、などといった複数の要因が絡み合うケースも多い」と話します。 そして、住所がなくなると、仕事に就けない、住居の契約ができない、制度が使えないといったことが生じ、社会の中で孤立してしまいます。この状態が長引くと、絶望感や失望で助けを求める気持ちにならなくなり、奮い立たせるのも難しい状況になるようです。 その話を聞き、「自立するのに、お金があれば解決するというわけではない」ということに気づかされました。人それぞれ抱えている問題は異なり、時間をかけて一人一人と向き合っていく形での支援の必要性を強く感じました。 私たちにもできる支援 ただ、私含めて誰もが芳賀さんのように専門的に支援できるわけではありません。「本人の努力だけでは解決が困難な場合が多い。社会全体の理解が必要とされる部分が大きいので、ホームレスの心理を理解するだけでも支援になります」という芳賀さんの言葉に、まずは「知る」ことから始めようと思いました。 今回の番組を通し、仙台におけるホームレスの実情を知った上で、自分にできる支援の形を考えるきっかけになりました。そして誰にでも起こりうる問題だと考えさせられました。 (市民ライター:平塚千絵) --- いずいっちゃんねる「路上生活者の現場から」はコチラから https://youtu.be/qER3mjuzcH8 「なにかしたい」と思った方は、こちらを参考にしてみてください。 今すぐできることがたくさんあります。 https://blog.canpan.info/fukkou/archive/3035 「いづいっちゃんねる」は、「しっくりこない」「居心地が悪い」「モヤモヤする」など、社会の「いづい」ことにみんなで気づいて、解決に向けた小さな行動を起こすきっかけを見つけられるような番組を目指しています。 次回もお楽しみに。 |