
▲対立が目的ではないので、笑顔を大切にしたいと話す本田さん
カフェと言ってもメインは美味しいコーヒーや甘いパンケーキではない。2ヶ月に一度、日曜日の午後2時から3時間、主に仙台市青葉区中央市民センターで開催される「ぶんぶんカフェ」には、原発や放射能についての情報交換や気軽なおしゃべりを目的に、主婦や会社員、高齢者から学生まで幅広い年代の人が集まる。
核燃料再処理工場廃止を話し合う場としてスタートしたカフェは、翌月に起きた福島原発事故を受け参加者同士の情報共有に重点を置くスタイルに変えた。「5年経った今では、核燃料の最終処分場や原発再可動問題、電力自由化の勉強会など、個人の生活に関わる不安の共有とは違ったテーマを取り上げることも増えてきました」と代表の本田愛さん(39)=仙台市若林区=は話す。
本田さんが原発や放射能に関心を持つきっかけとなったのは、原発反対を訴える高齢者を写した一枚の写真だった。原発についての情報を集めた本田さんは、宮城県で脱原発を推進する団体に出会う。団体の紹介で原発をテーマとしたドキュメンタリー映画「ミツバチの羽音と地球の回転」上映実行委員会に参加すると、2011年2月、会の有志で映画タイトル「ミツバチの羽音」から取った「ぶんぶんカフェ」を立ち上げた。
今後は場所や時間、曜日を変えて、普段参加することができない人たちに向けたカフェの開催も検討している。原発に賛成、放射能は安全という意見の方にも是非参加して欲しいとのことだ。多様な意見が出ることを望んでいるが、求めているのは決して衝突ではない。「対立ではなく対話を大切にしています。多くの情報を得ることで、絶対的な答えを出すのではなく、参加者それぞれが納得できる落としどころを見つけて欲しいんです。カフェから帰るとき少しでも気持ちが軽くなってくれたら嬉しい」と笑顔を見せた。
ぶんぶんカフェの開催情報は twitter@bunbun_sendai から確認することができる。
( 仙台市太白区 念佛明要 )