択捉島のヒトカップ(単冠)湾。2006年の訪問時に撮影
アジア問題研究会主催の産経新聞佐藤貴生前モスクワ支局長の講演会が2月2日、日本記者クラブで行われ、拝聴して参りました。さすが、モスクワに8年間勤務して帰国され、日が浅いだけあって、確信ある情報の提供と、生き生きとした話しぶりに感心しました。
特に、冒頭、いろいろ数字を挙げて、中露関係、特にロシアが中国からいかに「人口圧」を感じているかを示してくれました。
もちろんその多くは周知の事実ではありましょうが、このようにさあっとまとめてくれると分かりやすいので、ご参考までに転載させていただきます。ロシアは極東での資源開発あっての国づくりです。この「人口圧」に抗するためにも、いよいよ日本が重要なパートナーとなってきつつあります。
@ ロシアの国土の56%が中国の国土
A 中国の人口はロシアの9倍
B 従って人口密度は18倍
C 1988年の経済規模はソ連が中国の3倍、今のロシアは中国の22%
D 8年に1度の国政調査で2010年は前回に比べ極東で40万人、シベリアで80万人減。
E 極東の人口は現在630万。面積は黒竜江省の13倍、人口は黒竜江省が3830万、その差は6倍、人口密度鉈70〜80倍。東北3省の人口は1億人。
F 中露国境は4300`。
帰路、内閣府の前を通ると、<「いつか」を「今」に 日本の国土、北方領土>という標語が提示されていました。気持ちとしてよくわかるのですが、あせってはいけません。諸般の条件が整いつつあります。ここはじっくり手繰り寄せていいのではないでしょうか。
森元総理も、「3島」などと軽口をたたいてはいけません。お互いに己の体重同様、口を重くしたいものです。