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三木睦子さんと「朝鮮の子どもにバナナとタマゴをおくる会」 [2012年08月06日(Mon)]
miki.bmp



三木睦子さんが7月31日亡くなられた。「故三木武夫元首相夫人で、護憲の立場から積極的に発言した人」として各紙で報道されている。お別れの献花式を7日午後3時から青山葬儀所で行われる。

難民を助ける会の創立時にも、相馬雪香、加藤シヅエ両先生とともに積極的に関わり、私はその1つの活動として、1995年、相次ぐ洪水で苦しむ北朝鮮の窮状を少しでも救おうと、「朝鮮の子どもたちにバナナとタマゴをおくる会」を創立、三木さんに会長の任にあたっていただき、私が事務局長としてお支えした。三木さんは金日成主席が最後に会った外国人ということで北朝鮮と太い人脈を持ち、大事にされていたので、窓口である朝鮮総連にもずいぶんわがままを通させてもらった。

多くの方々からたくさんの支援をいただいた。相馬会長が日韓婦人友好協会の会長でもあったこともあり、韓国側にも「仁義を切りに」行った。大韓民国居留民団の生活局長は、ベルリン五輪男子マラソンの覇者・孫基禎の息子さん。「本来は私たちが同胞として支援しなくてはならないことを日本の皆さまがしてくださる。ありがとうございます」と言われたのには、この民族が抱える難しさの一端を見る思いがした。

「おくる会」では11次にわたって、毎回、バナナ10万本、タマゴ10万個を基本に万景号で運び、かならず二人のモニターを付け、配布を監視した。バナナの食べ方が解らない人ったいの前で、戦前、台湾バナナを食べたことのある老女が皮のむき方を教えたり、「こんなに大きな卵は初めてだと」感嘆する大人がいたり、悲喜こもごもの話が、モニターをした仲間から伝わってきた。

タマゴは物価の優等生で、今も昔も通常30円以下だが、平田くんは福島の養鶏場経営者と親しく、「10万個の発注なら1個9円でいい」ということになり、三木さんのお宅に報告に行き、「これがほんとのキュウエン物資」などとオヤジギャクをとばしていたのが懐かしい。

拉致問題が明らかになった時、この会は怒りとともに解散した。事務能力に長けた平田隆太郎くんは「拉致家族を救う会」を立ち上げ、その事務局長を務めている。北朝鮮を最初の4回訪問した経験が、拉致問題でも、直接間接、役立っているはずだ。平田くんは末次一郎事務所時代の私の部下、智子夫人は私の教え子である。

相馬、加藤、三木の3人は一回り程度ずつ歳は離れておられたが、いつも、ご一緒にさまざまな勉強会、研究会、講演会に出席し、最前列で熱心に聴いておられ、ほぼ毎回、鋭い質問を発し、講師陣をうろたえさせたり、啓発させたりしておられた。
かくいう私もその一人だった、あの時代が懐かしい。
       合掌。