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在日ビルマ詩人の詩の翻訳 [2011年04月13日(Wed)]












在日ビルマ人で詩人のモニワ・アウン・シンさんから
寄せられた詩を先日小欄で紹介しました。

Twin Tinさんが英語に翻訳してくださったものを
そのまま掲載したのですが、
scanの画像では醜いとの苦情をいただき、
邦訳をつけるべきだと助言をいただきました。

そこで、社会福祉法人さぽうと21(吹浦は理事長)の
中谷多賀子職員に翻訳をお願いしました。

多少助言はしましたが、詩の感じをうまく翻訳して
くださっていると思います。

私が担当したのは、中谷さんが困った表題だけです。

多賀子さんのお母さんである桂子さんとは、
わが師・橋本祐子(さちこ)先生率いる
日赤語学奉仕団以来のご縁です。

「芸者」云々のところは少々勝手が違うようですが、
ビルマの人がどんな思い出いてくれるか
よく分かった気がします。

こういう若い人が大事な仕事を担ってくれていることが
うれしいです。

ありがとうございます。

  ★.。.:*・゜★.。.:*・゜★.。.:*・゜
  


The dark Friday and the white Global
  (暗黒の金曜日と輝ける明日の世界)

作:Monywa Aung Shin

これが聖書で語られる終末の姿であろうか
訪れる夏は、紫外線を浴びせ、
酸性雨を降らせ、
核の冬が進行し
地平線の彼方では、
天盤のオゾン層が破壊され、
そのぽっかりと空いた穴からは、
悪魔の羽ばたきが聞こえてくるようだ

陸地を飲み込む、津波の高波は
激しい恨みと憎しみをのせて襲い掛かる
強い地震のとどろきと、その激震に
泣き叫ぶ声、悲鳴、騒音が
いたるところで聞こえ
その自然の惨状には終わりがみえず
あたかも楽園の喪失を思わせる

日本に暮らすあなたへ
満開を迎えた淡い桜の花や
人々に若さと、活力をもたらせる芸者の美
山頂が白銀の雪で一面覆われる、
その尊く、端正な日本最高峰の富士の山は、
あなた方国民の象徴である

厳しく荒々しい自然の脅威に対し、
打ちひしがれ、力をなくす国民ではない
過去の悲惨な時代にあっても、
絶望し、悲嘆にくれることはなく
正面から立ち向かい、窮地を脱してきた

日本の人々は、未来を見通す力とあわせて、
耐え忍ぶ力と勇気を兼ね備え
これから先、色鮮やかな新たな世界を思い描き、
築き上げていく人である

わたしたち世界各国からの、追悼の思いは、
悪夢のような原子力事故の惨事から、
あなたを癒してくれるだろうか

暗黒の金曜日は、
あなたの心に深く沈みこんでいることだろう
わたしたちは、その死と暗闇の中で、格闘し、
立ち上がろうとしている
あなた方の価値観、道徳感、
思いやりや誠実さに心からの敬意を表する
エッセイはロシア語でも [2011年04月13日(Wed)]











私のエッセイは、
Japan Echo(吹浦は理事)のHPで英語と中国語に
ユーラシア21研究所(吹浦は理事長)のHPでロシア語になって
紹介されています。

念のため、書き添えました。

http://www.eri-21.or.jp/russia/feature/speech/index.shtml
日本語版のエッセイです。 [2011年04月13日(Wed)]





  先日の小欄で、Japan Echoが英語と中国語での発信をスタートし、
そこに私のエッセイが連載されたとお伝えしましたが、
「英語も中国語もわからないオレをどうしてくれる」とばかり、
ご批判がございました。

  お詫びして日本語のものも掲載いたします。


     ☆☆☆  ★★★  ☆☆☆  ★★★

       救援・復興への取り組みで見える日本

                               吹浦忠正

 まずもって3月11日に発生した東北関東大震災で地震や津波によって犠牲になられた2万余の方々に謹んで哀悼の意を表します。

 この未曾有の被災に対し、米国、中国をはじめ世界の30数カ国からご支援をいただいていることには、一国民として衷心より御礼を申し上げます。なかにはブータンのように、開発途上にある小国でありながら100万USドルものご寄付を寄せられる国もあり、感謝の念に耐えません。

 日本の東北地方では地震、津波に加え、福島第一原子力発電所の4つの発電機能が、想定をはるかに超える激しい津波の被害を受け、機能不全に陥り、微弱とはいえ、放射能を発散している状況が続いています。この原稿を書いている3月29日現在、スリーマイル事故より深刻で、完全に崩壊したチェルノブイリ事故よりははるかにましという状況です。

 地震と津波により、鉄道も道路も大きな損害を受け、停電は長く続いていますが、被災地での混乱は皆無と言ってよく、被災者が秩序だった避難所暮らしをしている近くで、復興へ向けた作業が続いています。自衛隊、警察、消防、そして自治体、NGOが不眠不休というべき努力を重ね、生存者の救出、遺体の発見、瓦礫の整理、救援物資の調達と配布をキメ細かく行っています。

 このことは日本人の特徴をよく表していると思います。公平、平等、和を尊ぶ、人権を尊重する、秩序を壊さない・・・といったことは、日本人であれば老若男女、当然のこととして尊重されています。今回、諸外国のメディアにこうした様子が報道され、この整然とした秩序ある行動の価値を再認識したほどです。

 1995年1月の阪神淡路大震災の時には、外国人の居住者が多く被災したこともあり、私が理事長をしているNGOは特に外国人(28カ国出身者)に絞って、多額の金品をくばるなどの支援をしました。しかし、今度の場合は外国人居住者の少ない地域であったこともあり、特に、そこに絞った救援・支援活動は行われておりません。

 ただ、日本国民の多くは、菅政権の緊急事態対応能力に大きな不満を持っています。
 
 大きな災害を通じ、日本社会の強さと弱さを垣間見る日々です。
                                  (3月29日記)
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