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朝日歌壇、今週も郷隼人さんが [2010年04月11日(Sun)]









 今朝の朝日新聞「朝日歌壇」にカリフォルニアで
20余年にわたり獄中生活をしている
郷 隼人氏の以下の歌がまたまた入選している。

今回の選者は、佐々木幸綱先生。

 現身(うつしみ)のわが内にある苦しみは
  他言できない<過去>の出来事

 あとは想像するほかない。とても私には
見えてきそうにないが…。

 お招きをいただき、今月末、京都で、支援の中心になってこられた
97歳の先生のお宅を、
岐阜で、郷さんのウェブサイトを管理している方と訪ねる。

 他言できない<過去>を探求するより、
私に何ができるかを考える機会にしたい。
タカラヅカ、日赤、あんまりですよ [2010年04月11日(Sun)]







残念ながら、 とてもお薦めできる内容ではありません。






 タカラヅカ雪組公演「ソルフェリーノの夜明け」を
見ました。

「主演・・・水 夏希、愛原実花
赤十字思想誕生150周年
宝塚ミュージカル・ロマン
『ソルフェリーノの夜明け』−アンリー・デュナンの生涯−
作・演出/植田紳爾
後援/日本赤十字社」

 何十年振りかのタカラヅカ、驚きの連続でした。
観衆の97%くらいが女性、
「老若女女」。

 一人で通路を歩いているなんて、
どこのスケベおやじかと思われかねない重圧を感じました。

 2本目の「カルネヴァーレ(睡夢」のほうは、
派手さを追求するとその極致はこうなるという見本かな?
それなりにきれいで、楽しかったです。

 ところで、肝腎の「ソルフェリーノ・・」の中身には
正直、呆れました。あんまりです。

「アンリー・デュナンの生涯』でもなんでもありません。
デュナンの1859年6月の最後の一週間だけの話です。

 史実の異なる点は沢山ありますが、それにしても
デュナンがソルフェリーノ戦場で赤十字の旗を考えだし、
それを掲げて負傷者をマントヴァまで移送するなんて
あんまりです。

 その間に両軍対峙の場を進んで赤十字旗で通過できた
というのもあまりに違います。

 運んでもいないし、対峙もしていませんし、
デュナンはカスティリオーネ(ソルフェリーノの西となりの町)
のキエザ・マッジョーレ(直訳すれば大教会)という
教会とその庭でのみ救護活動にあたったのです。

詳しくは、拙著『赤十字とアンリ・デュナン』(中公新書)を
ご覧ください。

タカラヅカの広報誌「歌劇」でも
私へのインタビューが出ていますので、
そのあたりのことには多少触れています。

 しかし、なんといっても笑ってしまうのは、
ソルフェリーノの戦場に赤十字の旗が出てきたことです。

この旗は、その後、3年経って、国際的な戦時救護組織を
結成することになり、デュナンの祖国であり、
その創設に大きな役割を果たしたスイス政府に敬意を表して、
スイスの国旗を逆にしたものなのです。

 それがまあ、ソルフェリーノで考え出し、
用いられたかのように話を創っては、
史実を変えるにもほどがあります。

 しかもこれ、「赤十字思想誕生150周年」
「後援:日本赤十字社」とあるんですよ。

 ことしは、デュナン没後100周年ですが、
そちらは気付かなかったのでしょうか。

 おまけにその旗というのは、かのベッカムのイングランドの
白地に赤十字、つまり、上下左右の端まで赤が伸びているもの
なのです。こうなるともう、レベルの問題で
批判するほうが恥ずかしくなります。

 植田何某とかいう作者を責めるのはやめましょう。
それより、日赤さんですよ、問題は。

中身を知らないで、後援を決めたのですか?

 それとも、もっと大きく構えて、
「ソルフェリーノ」の名前さえ出ればいいのですか?

 もしそうなら、私は「デュナン羊羹」か、
「ソルフェリーノ煎餅」でも作りますから、
日赤さん、是非、後援して、本社や病院の売店ででも
売ってくださいね。

 もちろん、その解説は「史実に忠実に」書き添えますから。
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