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国旗による世界旅行D [2010年01月01日(Fri)]






          ケベック州の紋章





ケベックはそれでも全カナダ、全アメリカ大陸で、
一目置かれているようなところがある。

その保守的な人々のフランスそのもののような生活様式を
英語万能のような北米大陸で孤高のように保っている人々の
暮らしと市街地とが一体になっている。

州旗はブルボン王家の紋章である白いユリを
旗全面に広がる白い十字でチャージ型に4つに分けた
それぞれの中央に配している。

また、州の紋章は、王冠と3つのユリ
、そしてイングランドのライオン、3枚の楓の葉から成り、
紋章の下にはJE ME SOUVIENS(私は忘れない)と、
もちろんフランス語で書いたリボンがある。

邦訳はカナダのフランス文学を専門とする
寺家村(じけむら) 博 拓殖大学教授にご教示いただいた名訳であり、
ケベック州の人たちのせつなさ、
フランスへの思慕、文化への誇りといった
さまざまなものを彷彿とさせる。

カナダの国旗は、白地に大きな楓の葉を赤で中央に配し、
両端が赤い帯。「メープルリーフ旗 (The Maple Leaf Flag)」とも
呼ばれる。

世界の国旗の中では従来ない、また、
他に類例のない特別のデザインである。
あえて似た例を求めれば、
上下端を赤い帯とし、中央に白地に緑で
世界遺産のレバノン杉を丸ごと描いた
レバノンの国旗くらいのものか。

カナダでは長い間イギリスの国旗
(ユニオン・フラッグ、ユニオン・ジャック)を
旗竿側上部(カントン)に配した赤い旗
(英国のレッド・エンサイン)に、
カナダの紋章を付けたデザインの旗を国旗としていた。

その紋章と言うのは、
イングランドの3頭のライオン、
スコットランドのライオン・ランパント(立ち姿のライオン)、
アイルランドのハープ、そしてフランスのユリの花の
4つを組み合わせ、
その下にカエデの3枚葉を描いたデザインである。

1964年10月の東京五輪にはその旗で参加した。
しかし、激論を重ねた末、翌年12月、
フランス系国民の強い要望で、
フランス系のトルドー首相の時に、
英国色いっぱいのそれまでの国旗から、
民族的に全く中立な現在の国旗に変更になった。

両側の帯はカナダが太平洋と大西洋に面していることを
示している。だから、本来なら、
青い帯になってもおかしくないのだが、
それでは今度は旗が垂れ下がっている時など
フランスの3色旗と似てしまう。

そんなことから英仏両国民に受け入れられる
デザインとして、赤で海を表すというめずらしい国旗となった。
                     (つづく)
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