• もっと見る
« 2009年07月 | Main | 2009年09月»
<< 2009年08月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
パレスチナ [2009年08月31日(Mon)]












関東学院3年生の「ベ-タ」くんから、
「パレスチナは国ではないのか? 
国旗は決まっているのか?」という質問が来た。

さっそくお答えしよう。

 パレスチナは領土、特に、首都がはっきりしない。
イスラエルとの国境が定まっておらず、イスラエルは、
1967年の第3次中東戦争で占領した東エルサレムを含め、
市全域を首都と宣言したが、
国際的には認められておらず、
パレスチナもまたはエルサレムを首都だとしているが、
イスラエルに完全に支配されたままだ。

 そのイスラエルを、国連加盟国のうち、
イラン、リビアなど26カ国が承認していないし、
34カ国とは大使館を相互に設置するなど
正常な外交関係がない。

1980年、国連総会は、
イスラエルがエルサレムを首都とすることを非難する決議を
143の圧倒的多数で採択。アメリカでさえ、
かろうじて「棄権」するに留まった。棄権は4。

反対はもちろん当事国イスラエルだけであった。

日本も非難決議に賛成し、
首都機能が西エルサレムに移転してからも日本の大使館は
テルアビブにある。外国大使館はテルアビブに置くことが
慣例化している。しかし、事情は明らかではないが
コスタリカとエルサルバドルが多年にわたり、
エルサレムに大使館を置いていた。

それでも、2006年、両国は各国と歩調を合わせ、
大使館をテルアビブに移設した。

イスラエル外務省報道官はこれに対し、
「両国の決定は大きな失望。現段階での大使館移転は、
テロへの屈服と受け取られかねない行為だ」と述べた。

 この問題に関連して、イスラエルは
エルサレムが自国の首都だとして各国の大使館を
テルアビブから移設するよう働きかけているが、
これまで応じた国はない。

エルサレムの将来像については、
両国への分割案、共同管理案、国際管理案など、
さまざまの提案が出されている。しかし、現実には、
「エルサレムは永遠にイスラエルの首都」とするイスラエル側と、
「東エルサレムを首都とする独立国家」を目指すパレスチナ側が
真っ向から対立している。

パレスチナ解放機構(PLO)は1970年から国連総会の
常駐オブザーバーの地位を得ている。この地位は、
最上敏樹国際基督教大学教授によれば、
正式の加盟国ではないとしても、
投票権なしのまま国連機関の討議に参加したり、
決議案の作成にかかわったりすることが認められるステイタス。

 国連の場合、国家ではヴァチカン市国が
オブザーバーの常駐を認められているほか、
マルタ騎士団、欧州審議会などの政府間国際機構、
赤十字国際委員会(ICRC))などの非政府間国際機構、
及びパレスチナ(パレスチナ解放機構)など、
合わせて61団体が、総会活動へのオブザーバー参加が
できるとのことだ。

 国旗は、ヨルダンの国旗から7つの光芒のある白い星を
取り除いたもの。東京の旧山手通り(目黒区青葉台)のPLO代表部に
いつも掲げられている。
| 次へ