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アジアの人権と日本の役割 [2007年04月08日(Sun)]



アジアには未だ「自由の女神」は微笑まないのか。






 4月6日午後4時30分から、東京財団で「アジアの民主化、自由・人権の拡大と日本の役割」研究プロジェクトの報告会が開かれた。

 これは2006年度の研究プロジェクトであったため、異例ではあるが昨年末に退任した私が挨拶と総合司会をした。

 アジアではかなりの国において未だ人権が抑圧され、平和と安寧を求める人々が日本に大きな期待をもちつつも、十分どころかほとんどその期待に応えていない日本という姿がある。

 この研究は残念ながら一年間で終焉となったが、極めて中身の濃いものであった。いずれかの研究機関が引き続きこうした研究を継続し、より活性化してほしいものと願うほかない。

 この研究プロジェクトのリ−ダーは、畏友・山田寛嘉悦大学教授。読売新聞特派員としてサイゴン、バンコクで勤務、さらにパリ支局長、ワシントン総局長などを務めた国際問題ジャーナリスト。いまは、国際関係論、アジア現代政治、カンボジア政治などを研究し、後進の育成にあたっている。私とは1973年、私が国際赤十字インドシナ駐在代表だったとき以来の濃いお付き合いが続いている。

 山田教授以外の参加メンバーはそれぞれの専門家として著名な方々ばかりである。以下の面々だ。50音順。

●田辺寿夫氏(NHKのビルマ語ラジオ番組の制作を長く担当。ミャンマー(ビルマ)問題専門家)
●藤田幸久氏(前衆院議員・民主党国際局長。紛争、民主化、人権、難民、災害など国際問題を広範にフォロー。7月の参院選に茨城地方区から立候補の予定)
●ペマ・ギャルポ氏(桐蔭横浜大学法学部教授。チベット文化研究所長。日本・日本人の生き様への鋭い評論でも知られる)
●水谷尚子さん(中央大学非常勤講師・近現代日中関係を研究。中国の反日運動家への直撃インタビューなど活発な調査活動を展開)
●アン・タムさん(元ベトナム難民。研究者)
●李英和氏(関西大学教授、RENK<救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク>代表。北朝鮮民衆の支援のため活動)

 ほかに、佐伯奈津子さん(上智大学非常勤講師。インドネシア民主化支援ネットワ−ク事務局長)と私がオブザーバーということで常時出席した。

 参加メンバーがこぞって感謝しているのが、研究会のお世話をしてくれた朝倉恵里子さん(翻訳家)。私を含めわがままなメンバーが山田先生にご迷惑をかけるところを救ってくださった。感謝したい。

 研究報告会で配布された報告書「アジアの民主化・自由・人権の拡大と日本の役割」の要約(提言一覧)をご紹介したい。

    ☆〃☆〃☆〃☆〃☆〃☆〃☆〃☆〃☆

<総論>
提言1.日本は、アジアの民主主義、自由・人権の拡大のため、これまでよりもずっと積極的に行動し、協力し、貢献すべきである。それにはまず、政府も私たちもアジアの状況をもっと知ることだ。

<ODA>
提言2.ODA(政府開発援助)も、一定以上の割合をはっきり民主化支援・協力の分野に充てる。

<難民受け入れ>
提言3.より公正に、難民と認められるべき者を、政治的配慮とは無関係に、粛々と難民認定すべきである。

<留学生の受け入れ>
提言4.留学生政策の柱を量的拡大から質的改善へと転換する。より学問をすること、日本を知ることに意欲的な留学生を増大させる。そのため国費留学生の枠の拡大、私費留学生への学習奨励費の増額を図る一方、例えば留学生を対象とした無料見学バス旅行や、大学内でのアルバイトへの国庫補助など、キメ細かな施策を導入する。

<宗教分野での人的交流拡大>
提言5.アジア諸国からの留学僧や宗教者留学生の受け入れなど、仏教、キリスト教、イスラム教など宗教分野での人的交流拡大を図る。

<海外放送>
提言6.日本版「自由アジア放送」を考えよう。例えば、対北朝鮮拉致被害者への呼びかけ放送「しおかぜ」を支援、北朝鮮国民向けのニュース、解説なども含めて番組を強化しよう。

<メディア>
提言7.日本の新聞やテレビも、政治的遠慮を減じて、アジアの民主化や人権問題をもっときちんと報道すべきである。それと同時にアジアのジャーナリスト、民間人の活動に具体的に連帯、協力、貢献する。例えば、民主化や人権擁護、テロとの闘いなどで頑張っているアジアのジャーナリストへの賞を設ける。

<子どもとの交流>
提言8.教員や指導員派遣、文化・スポーツ交流といった現地の子どもとの直接交流を強力に進める。アニメ、マンガなどによる間接交流でも、さらに日本文化に接してもらう。それが、将来の日本との関係だけでなく、民主化インフラの一部となることが期待される。

<外交、政策的課題>
提言9.民主化、自由・人権をより重視して外交理念、戦略、政策を再構築し、自由民主主義諸国の国際基準に則ったものに改める。国際条約の加入、批准の基準にも民主化を導入する。

提言10.NGO、シンクタンク、宗教団体、メディアなどと連携した多角的な民主化、自由・人権支援外交を展開する。現地の野党勢力、民主活動家、反体制活動家などにも一層の目配りを怠らず、アクセスのパイプを拡大し、維持する。

提言11.公的資金により、議会や政党関係の民主化支援団体(財団、NGO、シンクタンク)設立を支援する。

<北朝鮮情勢関連>
提言12.北朝鮮人権法を活用し、一般脱北者を受け入れる。

提言13.韓国に亡命を果たした脱北者の日本留学を支援、促進する。

提言14.北朝鮮人権法に基づく啓発行事を活性化する。

提言15.国交正常化に備えて「日朝基本条約」の草案策定を急げ。

<ミャンマー(ビルマ)情勢関連>
提言16.日本政府はビルマ国民の願望である民主主義の実現と人権を保障するためにビルマ政府、NLD、諸民族代表による三者対話の実現、1990年総選挙結果の具体化を働きかけよ。

提言17.日本のメディアはもっとビルマの人びとの顔が見えるような、ビルマ情勢を正確に知りえるビルマ情報を継続的に伝えるべきである。

提言18.日本政府や国会議員は在日ビルマ人とくに母国民主化の活動をつづける人たちの声に耳を傾け、対ビルマ政策に反映させる努力をすべきである。また日本のNGOはこうしたビルマ人たちと交流を深め、実情を知り、理解を深めて、そこから民間レベルでビルマの民主化、人権状況の改善につながる共同作業に取り組むべきである。

<インドネシア情勢関連>
提言19.日本の進出企業は、汚職や人権侵害に手を貸さないよう、民主化の障害にならないよう努める。

<ベトナム情勢関連>
提言20.ベトナムにおける人権弾圧の事実に、もっと目を向けるべきである。

提言21.対ベトナムODAは今増大しつつあるが、ベトナムの人々の基本的人権が尊重されるよう、人権重視をODA政策の中に反映すべきである。

<カンボジア情勢関連>
提言22.カンボジアの民主化に向けて、フン・セン政権に対し、「友情ある意見表明」「友情ある助言・説得」「友情ある働きかけ」をためらわずに行う。かつてのイニシアチブによる「国際政治的財産」を食いつぶしてはならない。ポル・ポト派裁判、汚職防止法のような、この国の民主化への当面の必要条件がきちんと実現するよう、協力する。

提言23.民主化や人権問題に取り組んでいる現地のNGOの存続と活動拡大のために一層の支援に努める。

<チベット情勢関連>
提言24.中国の人権抑圧に対し、日本が非難決議を採択することは難しいであろう。まず「EUや米国の決議を支持する」という決議を採択することが望ましい。

提言25.日本がアジアでリーダーシップをとるには、まずアジアの問題に勇気を持って発言することである。その対象が中国であっても、基本姿勢を貫くべきだ。それが、国際社会から尊敬される重要な条件である。

提言26.チベットに鉄道が通り、日本のマスコミでも取り上げられている。鉄道開通は決して悪いことではないが、それでチベット人が得るもの、失うものに関心を持ってほしい。関心を持つことも、中国の植民地化に対して警告を発する一歩である。

提言27.先進7か国では、日本以外、ほとんどの首脳がダライ・ラマ法王と会っている。日本の首脳もまず法王との会談を実現してほしい。

<新疆ウイグル情勢関連>
提言28.情報能力が高く、ある程度社会に情報を還元できるようなインテリジェンス機関を設置する。ただし、官僚が主体でなく(!)、民間や学術界から広く人材を求めるべきである。まずは、正確な現状把握が大切。

提言29.「日本・アジア・世界の近現代史」を高等学校の必修科目にする。間違った論理が、まるで真実であるかのように社会に流通してはならない。現在の国際社会が形成されていく過程・近現代について、基礎的知識が必要である。

提言30.民主国家として日本は、政治犯・政治亡命者をもっと受け入れるべく努力すべきである。

    ☆〃☆〃☆〃☆〃☆〃☆〃☆〃☆〃☆

 さらに、研究チームは以下の付設を述べているので、これも合わせて、ご紹介したい。

   ☆━━━━…‥・  ☆━━━━…‥・

 以上の提言は、原則的なものと具体的施策とがミックスされている。提言1、9、10、16、17、18、20、25、26、28、29などは、日本政府や日本国民が、もっとアジアの中の現状に関心を持ち、知り、発言や行動につなげて行くべきだとの原則に関わっている。まずは問題を知ること、知ろうとすることが重要だと強調したい。
 提言9は、日本の外交理念、戦略の再構築を求めている。これまでのままの原則では駄目なのだ。

 具体策の提言も、もちろんみな原則に関わっている。ODAに民主化、人権支援をもっと反映させること、民主化や人権に関わるNGOやシンクタンクの強化、難民、政治亡命者や北朝鮮からの一般脱北者、の受け入れ、留学生受け入れの質的改善、人的交流の拡大における配慮、日本の首脳もダライ・ラマ14世と会談すべきこと――どれもそうである。

 すでに十分判っていると思われることもあるだろう。だけど、実際には難しくてそう簡単にはできないのだと言われるかもしれない。しかし、アジア諸国の現実問題をタブー視したり、目をつぶったりしていながら、自分だけが民主主義大国だ、人権立国だなどとうぬぼれているのは無責任だ。そうした思いが、これらの提言の土台となっている。




平成生まれの大学生へ [2007年04月08日(Sun)]
 

平成生まれの人たちが、大学生になった。とりあえずは、「おめでとう」。

 あれほど激しかった受験戦争が終わり?だれでも入学できる、むしろ大学側があの手この手で受験生を誘い、すぐ合格させて定員確保を狙う、そんな時代になった。大学側にも「おめでとう」といいたい。

 はっきりいって明らかに大学での学究生活には不向きな若者が大勢いる。それでも尊ばれる学歴。私は徹底的に疑問を感じてきた。

 私には中卒の親友がおり、同志がおり、世話になった先輩が何人もいる。一応、大学院を修了している私が、無知を恥ずかしく思い、ヒラメキのなさを悔いる思いで、お付き合いさせていただいてきた。

 それとともに、あの人たちが学問的な素養をきちんと身につけていたらもっと別の素晴らしさも発揮していたかもしれないとも思う。だから、どちらがいいという話ではなく、それぞれにいい人生を開いて行くことが大事なのだろう。

 ところで、新大学生諸君、以下に思いつくままに社会常識の問題を挙げるので、答えてみてほしい。

@「真珠湾」はどこの国にあるか? A全国はいくつの都道府県に分かれているが、そのうち「道」や「府」はいくつあるか。 B西行と紫式部はどちらが先に生まれたか。 C「音楽の父」といわれるバッハと徳川3代将軍家光はどちらが先に生まれたか。 DJRは30年前はなんと呼ばれていたか。 E存命の内閣総理大臣経験者の名前を4人挙げよ。 F「コウジョウノツキ」という有名な歌がある。これを漢字で書き、その作曲者名を漢字で書け。 G外国旅行ではパスポートは必携、ビザが必要なこともある。この2つ、日本語ではなんというか? 漢字で答えよ。 Hしばしば文豪と呼ばれる人の名前を二人漢字で記入せよ。 I政令指定都市名を8つ挙げよ。 J「小倉百人一首」の歌を一首記述せよ。 K弦楽四重奏曲を演奏する場合の編成を述べよ。 L石原慎太郎の前の東京都知事の名を述べよ。 M衆議院議員の定数は300人、400人、500人、600人のどれに一番近いか。 N孔子の書いた主要な文献を2つ挙げよ。 O「北方領土」と呼ばれている島の名前を4つ列挙せよ。 P朝日、毎日、読売の3大新聞を朝刊の発行部数順に述べよ。 Q今の首相の名前とその人の父親の名前を挙げよ。 Rブッシュは今のアメリカ大統領、その前の大統領の名は? Sプーチンは今のロシアの大統領、その前の大統領の名は?

 ついでにCM。拙著『社会人の社会科』(祥伝社)は参考になるよ。


■資料リンク
社会人の社会科―知って差がつく現代用語の使い分け
社会人の社会科―知って差がつく現代用語の使い分け
百人一首とサクラ [2007年04月08日(Sun)]






  舞鶴市はなかなかのサクラの名所。今年もこんな写真をお送りいただいた。




 なんだか、今年は花が長く持っているように思う。開花後、寒い日が続いたからなのか、嵐がなかったからか。それでも東京ではサクラがピークを過ぎた。しかし、全国各地ではまだまだこれからというところも多い。

「小町伝説」を残し、「秋田こまち」を誇るわがふるさと秋田も「まだこれから」組のはずだ。

   花の色は うつりにけりな いたづらに
    わが身世にふる ながめせしまに

『百人一首』のこの歌は、作者・小野小町が「絶世の美女」であるからこそ「わが身世にふるながめ」が生きてくる。『古今集』が原典。

『百人一首』には、梅を詠んだ歌は、紀貫之の「人はいさ・・・花ぞ昔の」だけだが、サクラを詠んだ歌は3首ある。

   いにしえへの奈良の都の八重桜
    けふ九重ににほひけるかな

 11世紀前半、一条天皇の中宮彰子に仕えた伊勢大輔(たいふ)の作。『詞花集』の詞書によれば、一条院が奈良からサクラが献上されたとき、「その花をたまひて、歌詠めと仰せられければ、詠める」とある。花の受け取り役を仰せつかったとき、即座に詠んだというのだから「昔の人はえらかった」というほかない。

 しかも、上の句と下の句で「いにしへ」と「けふ」が、「八重」と「九重」が照応・連鎖し、御世を称揚しているあたり、なかなかの傑作といえよう。

   もろともにあはれとおもへ山桜
    花よりほかに知る人もなし

 天台宗座主(ざす)大僧正になった作者が、まだ、大和の大峰で修験道の修行をしていたとき、思いがけずサクラに出会って共感を感じて詠みあげたもの。『金葉集』から藤原定家が撰んだもの。

 きょうは大分暖かいようだし、散りかけているサクラも残っている。今夜は散歩がてらに花見が出来そうだ。


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