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先着10名様? [2006年10月05日(Thu)]





 「松の実会」、おっとこれは「栗の実」でした。挿画は、石田良介画伯のご厚意で掲載させていただいております。禁無断転載。




 発表会を目前に、90ウン歳の松田トシ先生のレッスンに参上しました。私が末の弟子かと思ったら、今一人、男性が増えて、番付?が一枚上がっていたのです。でも、あちらはトスティの「夢」と「セレナータ」を歌うとのこと。実力は上に違いない。困った、弱った、どうしよう!

「前座その2」の私は、「出船」「しぐれに寄する抒情」「さくら貝の歌」の三曲。数は多いが難度が違いそうです。

 しかも、きょうも先生にご指導を受け、
「う〜ん、色気が足んないのよ、あなたの歌って」。

 90ウン歳の大先生から、色気の修行が足りないといわれては、「青年吹浦」立つ瀬がありません。

 でも、そこは師匠。
「ここをこうして、こっちをこうすれば、こんなに違うでしょう」(秘密!)。

 ナットクしました。日々、「妙齢の美女」には囲まれていても、「色の道(?)」の修行はまだまだのようです。

 果たして、あと10日後に迫った当日はどうなることやら。「歌の道」は本当に難しいということが、少しだけわかってきた気がしています。

「松の実会」の発表会は、「まず飲み会」ではなく、大真面目に10月15日午後2時から紀尾井町のマツダホール(松田ビル5階)で開演ということになっています。出演者13名と1グループ、伴奏者はプロが3人。

 準新人の私、タキシードを着て出る。今度こそはウェイターと間違われないようにしなくちゃいけません。

 私のアドレスをご存知の方で、「人道的見地」に立って、行ってみようという奇特かつ物好き、別の名「ゲテモノ趣味」の方は、どうぞメールでお知らせ下さい。先着10名の方とさせていただきます。

 メルアドをご存知の方はしかるべき経過やお付き合い、ご縁があっての、仲良しのはずですから。
東洋英和の院生たち [2006年10月05日(Thu)]


稲垣大紀くんの修士論文がもとになって中央公論新社の協力で刊行された本です。



東洋英和の大学院生3人と、私の埼玉県立大学時代の教え子とが翻訳し、私が監訳した、リック・ストラウス著の翻訳出版。

 東洋英和女学院大学大学院での私の授業が始まった。大学院での私の講義も、もう10余年目になる。当時の院長や大学院長から一通り、建学の理想から社会人院生の傾向などといったまじめな話をきかされたあと、「妙齢の美女がたくさんいますから是非」と冗談を言われて、その気になって出かけたのが、そもそもの始まり。

 たしかにそうなのだが、英和の大学院はなんと、男女共学である。現在、防衛施設庁長官である北原巌男さんは、文字通り、草創期の男子院生であった。社会人学生は学部でも、大学院でも、サボラナイ、ネナイ、マジメである。一所懸命と言ってもいい。

 私自身は実に2年ぶりの登壇。というのは、大学院生は少なくとも2年間在籍するので、その間に受講できるようにということで、カリキュラム編成の都合で1年おきに開設しているのだ。

 前回は、開講日に台風が東京に来襲、3時ころ電話で 「いくらなんでもきょうは休講するほかないでしょうね」と事務所に電話したら、 「とんでもありません。院生は全員登校してくると思いますよ」と雨宮事務局長。

  なるほど、みなさん、ずぶぬれになっていながら、教室にそろっていた。恥ずかしい思いで、心の中で最敬礼した。

 天罰が来て、帰りは私の自動車が麻布十番であふれ出た水に漬かって動かなくなり、2人の警察官に押してもらって脱出という一幕もあった。

 それ以来?私はまじめに、大学院生と対面し、できる限りのお世話をした(今もしている)。国際機関への仕事の世話、就職やアルバイトの世話、研究会参加の紹介、修士論文の出版、論文作成のためのさまざまな紹介・・・である。

 以前、小欄で紹介した、『戦陣訓の呪縛―捕虜たちの太平洋戦争』(中央公論新社)は受講生3人とほかの一人が翻訳したものを私が監訳して、中央公論社から昨年11月に上梓したものだし、稲垣大紀くんの修士論文(同大学院の論文で最高の評価を受けたものに与えられる長野賞受賞論文)を東京財団で出版して差し上げた。いままた、他の論文もある出版社からの刊行を進めている。

 人と人の出会い、encounterって、お互いの運命を決めるものではないだろうか。「邂逅」という訳語がピッタシかもしれない。特に、教師たるもの生徒や学生を選べないはずだ。そこでの出会いを心底大事にしたい。そう思えない人は教師という職業を選んではいけない。この縁を大事にしたい。

 昨日は自己紹介を兼ねて、人生観のようなものまで話した。それでも、早速、「すばらしい授業だった」というメールをくれた「妙齢の美女」がいた。院長のくどき文句をもう一度ナットクして、今年も頑張ろうと思う。夕方の6時半から9時45分までというのは、「ご老体」にはもしかしてきついのかも知れないが・・・


■資料リンク
25歳が読む「南京事件」―事件の究明と論争史
25歳が読む「南京事件」―事件の究明と論争史
戦陣訓の呪縛―捕虜たちの太平洋戦争
戦陣訓の呪縛―捕虜たちの太平洋戦争
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