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国連軍縮局が縮小へ [2007年01月31日(Wed)]






 国連の機構「改革」が進行中で、軍縮局が消えてしまう。この局長ポストは日本の大使経験者が抑えてきたのであるが、韓国出身のバンキムン新総長の決断で、近く正式に決定されることにほぼ固まった。

 これについて「軍縮ネットワーク」から次のようなメ−ルが来た。局長は事務次長ポストであっただけではなく、国連の重要な使命であるだけに残念でならない。

 国連の実情をしっかりと理解するために、あえて転載させていただいた。
 

  ☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜

 先週金曜日に、バン事務総長から総会議長に対し、軍縮局とPKO局の機構改革に関する文書が送付されました。29日、そのうちのAdvancing the Disarmament Agendaと題する軍縮問題に関するぺーパーが回って来ましたが、その概要は次のとおりです。

1)軍縮局は、国連事務局内に独自の予算を持つ独立した部(Office)として再編する。
2)事務総長が軍縮問題の処理を直接指揮し、そのために軍縮問題担当の特別代表(Special Representative or High Representative)を軍縮部の長として任命する。
3)軍縮部は引き続き大量破壊兵器、特に核兵器の軍縮、不拡散に関するマルチ外交努力を促進、支援し、また国際平和の維持に資するための軍縮、不拡散分野における加盟国の努力を支援し、さらに小型武器、対人地雷、クラスター弾をはじめとする通常兵器分野における軍縮を促進する。
4)軍縮部は現在の5つの課(Branch)と機能を維持する。軍縮部は引き続き、国連総会、第一委員会、軍縮委員会、軍縮会議、その他の機関を通じて、軍縮分野における規範設定に実質的、ならびに組織的なサポートを提供する。
5)ジュネーブの国連欧州本部の事務局長は、引き続き軍縮会議の事務局長、ならびに同会議への事務総長の個人代表を務め、軍縮会議に関わる報告を直接、事務総長に行う。

 また、新しく任命される軍縮担当事務総長代理は、直接事務総長に報告し、以下の任務を負うこととされています。

1)軍縮部の活動及びその運営の責任を負う。
2)事務総長に軍備管理、軍縮、ならびに関連する安全保障問題について、事務総長に助言および支援を提供し、また必要に応じて事務総長の代行を務める。
3)軍縮、安全保障問題の分野において、政策決定を目的とした信頼ある状況分析を提供する。
4)Senior Management Group, Senior Advisors meetings, Executive Committee on Peace and Security, Policy Committeeといった幹部会に出席し、軍縮部を代表し、また軍縮問題において加盟国と国連事務局の関係の取りまとめ役(focal point)を務める。
5)IAEA、OPCW、CTBTOといった軍縮、不拡散分野の国際機関と国連事務局との間の、またこれらの問題に関し地域機関と国連事務局との間の取りまとめ役を務める。

 最後に、この文書はこれらの提案によって通常予算の純増はないこと、また通常予算によって維持されているポストの数の純増はないとしています。 また、この提案は、2年ごに再度検討され、事務総長は、この再編がマンデートを与えられた活動が完全な実施につながるよう確保するとしています。また、国連プログラムに変更が必要な場合は、事務総長は必要な認可を関係の機関から得るしとています。

 この軍縮局再編案は、今週、加盟国との間で調整されることが期待されますが、この文書の中では明確にされていない軍縮担当事務総長代理のグレート(事務次長から事務次長補に格下げになる見通し)などをめぐり、非同盟諸国を中心として難しい交渉が行われる見通しです。