大学の廃校 [2006年08月24日(Thu)]
残暑お見舞い申し上げます、甲斐駒ケ岳。 毎日新聞が次の記事を配信している。「大学が潰れる」という現象はこれからも続くし、時に潰してほしいと思うことさえある。まずは、8月24日10時34分の配信記事をご紹介したい。 ☆━━━━…‥・ ☆━━━━…‥・ 工学部単科の東和大(福岡市南区)を運営する学校法人・福田学園は来年度の募集停止を正式に決め、文部科学省に報告していたことが分かった。東和大は在校生が卒業する09年度末をもって事実上廃校となる。理由は「学生募集に向け改善のめどが立たない」などとしており、同省によると、経営上の問題で4年制大学が廃校になるのは極めて異例という。 文科省などによると、同学園の福田庸之助理事長らが22日夕、同省を訪れ、来年度の工学部の募集停止を伝えるとともに、書面を提出した。福田理事長は理由について「学生が集まらず、改善のめどが立たない。大学経営が悪化すると、併設の短大にまで影響が出かねない」と話した。既に法人理事会や評議員会、教授会に経緯を説明し了解を得たという。 東和大は1967年創立。今春の新入生は、160人の定員を下回る約140人だった。57年創立で併設の純真女子短大(同)の知名度が高いことから、今春以降、名称を「純真」に変更し、新たに文系学部などを設置する方向で準備を進めていた。しかし、準備不足などから学部新設の認可申請を断念していた。既存の工学部だけでは今後も十分な学生数確保は困難と判断したらしい。 同省によると、同学園が新学部を設ける場合、大学新設の認可が必要。廃校を巡っては、広島県の立志舘大学が04年1月、同省に「閉学届」を出している。 理事の一人は「経営に関することであり、コメントするのはなかなか難しい」と話した。 ☆━━━━…‥・ ☆━━━━…‥・ 関東地区でも、大学経営者からの悲鳴はすごい。「定員600人のところ302人しかとれなかった。あと3人欠けると、半数割れで国の補助金が停まってしまう」という、K大(もちろん慶応義塾大学にあらず)。 「教授はなるべくテレビに出演せよ。さもなくば、歩くセールスマンとして高校を回るべし」は公立大学を含め、ほとんど軒並みのお達し。 早稲田、慶応はなんといってもブランド校らしく、「受験料だけで48億入った」と豪語する理事までいる。 しかし、世の中には、どう考えても大学教育には不向きな少年・少女もいる。 「ボク、ホストクラブで働いてるんです。十分生活できますので、大学辞めさせてください。授業もぜんぜん出ていませんから、授業料返してください」。付き添ってきた「母親」と称する「ミズ」くさい女性は、どうみても年齢が合わないが、「ねぇ、先生。聴かなかった授業のお金をとるってひどいんじゃありません?」と、香水を振りまきながら迫る。これまた関東地区の別のK大学のP教授から先月、聞いた話。 少子化でこれからの各大学は、運営が大変だろうとは思う。しかし、それは十分予想されたこと。無理して存続を図るより、資産を叩き売ってでも、勇気ある転進が国家と社会のためになるのではないか。 立志舘大学(広島)に続く、東和大学の廃校、あたたかい拍手でいいのではないか。 |