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郷 隼人さんと朝日新聞の読者たち [2012年11月21日(Wed)]




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先日、小欄ではカリフォルニアで服役している歌人・郷 隼人さんが1年半ぶりに「朝日歌壇」に復帰したことを嬉しさいっぱいに書きましたが、郷さんのことはもちろん、多くの読者が注目していたのです。

朝日新聞は11月19日付で<「甲乙閑話」短歌が結ぶ人と人>として、こう書いています。

郷さんからはこちらから何もしていないのに、先年、直接、お便りをいただき、驚き、かつ恐縮してしまったことがあります。感性も表現も豊かで、私が朝日新聞を購読している何割かの理由は、この人の投稿歌に出会えるからです。

さまざまな事情があって、まだしばらくは「(アメリカ)郷 隼人」のままのようですが、ご壮健で、私たちを励まし続けてくださいと祈り、お願いするほかありません。

     ❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀

 わが詠みし短歌(うた)を待つ人居てくれる
 何て幸運(ラッキー)な奴なのだ俺 (アメリカ)郷 隼人

 この歌が10月29日の「朝日歌壇」に載った翌日から10日間で、手紙とはがき、100首もの短歌が全国から寄せられた。作者は米国で殺人罪で終身刑となり、獄中から16年に亘り投稿を続ける。郷隼人はペンネームだ。昨年4月4日の入選を最後に投稿が途絶え、1年半ぶりの登場だった。

 「郷さん、お元気でしたか」「ほっとしました」。涙を流して読んだ人、思わずひとりで手をたたいたという老婦人。「なんとはなしに生きてる実感」と詠んだ歌も。私は朝日歌壇を担当して1年。熱心な愛読者がいるとは知っていたが、正直驚いた。

 郷さん自身、かつて自著の後書きに「どうして、まったく面識のない人々が、これほどまでに親身になって僕のことを心配してくださるのか」と書いている。その温かいまなざしは、当時ブームだった全戦全敗の競走馬ハルウララへの応援と同じものではないか、とも。そして被害者家族を気遣い、美化されないよう自戒する。

 いや、少し違うと反響を読んで思う。望郷と母への思い、そして痛切な悔悟の念をまっすぐに歌う「郷隼人」は、読者にとって、会えない息子であり、懐かしい友であり、ままならない日々を送る自分自身なのではないか。ネット全盛の時代に、短歌が結ぶこんな交流がある。(伊佐恭子)
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