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御柱祭―石田良介画伯B [2010年02月28日(Sun)]


     ヤマタノオロチ











御柱のご神体は蛇体神か

「諏訪大社」は諏訪湖を挟んで上社と下社に分かれております。
上社は本宮と前宮、下社は春宮と秋宮があります。
上社本宮の祭神は武御名方尊で、
前宮は女神の八坂刀売神(ヤサカトメノカミ)、
下社の春宮と秋宮は武御名方尊と八坂刀売神、
更に出雲を追い出した事代主神を祀っております。

厳寒の日、諏訪湖の中央に筋状に膨れ上がった
氷の帯が走ります。これは、上社の男神と下社の女神が
求め合うとされる「御神渡り」といわれております。

「御柱祭」と言いますのは、
「諏訪大社」の上社、下社の各宮にはそれぞれ四隅の柱、
合計16本の柱を7年に一度立て直します。
この柱を立て直すための神事が「御柱祭」です。
正式名は「式年造営御柱大祭」です。

一般には「御柱祭」として親しまれ、広く知られております。
柱は祭りの2年前に、八ヶ岳と霧ヶ峰の山で
モミの木を氏子が見立てて切り出されます。
御柱の長さは約17メートル(五丈5尺)、
太さは約1メートル(三尺五寸)、重さは約10tの大木です。

四隅に柱を建てる謂れは諸説ありますが、
青龍(東)、白虎(西)、朱雀(南)、玄武(北)の
四方を守る神のご神体とする、のと、
蛇体神(ヤマタノオロチ)を立てて、
その内側を神域として祭祀をとり行ったとも言われております。
これは,縄文遺跡からも図り知る事が出来る様です。

因に、出雲の神々は大国主命を始め蛇体神であったとされております。
しかし、何故、あの険しい山奥から巨木を切り出して、
人の力だけで、長い距離、坂や川を曵き降ろしてくるのでしょうか、
日本の古代社会の信仰から繙かなくてはなりません。

『古代日本人にとっては象(かたち)あるものは神だった。
中でも、古代人は山こそ神の象であった。
天から人間社会に降臨する神を迎える場所は険しい山頂だった。

そして、生命力旺盛な蛇、ヤマタノオロチは山の生命体として
イメージされ信仰されていた。

ヤマタノオロチは八つの頭と八つの尾がある上に、
体表には苔がむし、柏の木などが生い茂っていて、
その腹からはいつも血が滴り落ちているとされている。
これは,明らかに、いくつもの峰や台、
そして渓流をもつ山脈の風景描写あるす。

山の鬱蒼とした森の中に毅然と聳え立つ巨木こそが、
オロチの化身だった。それを丁重に切り倒し、
山の麗に引きずりおろし、再び元のように大地に突き立てた。
そのことによって、オロチがもつ生命力を自分たちが暮す大地に
注入することが出来ると考えた。』
                 (山の霊力・講談社 町田宗鳳著より)

現代でも私達は形ある物には神が宿ると思っています。
また、都市の地名で「八尾」と付くのは
ヤマタノオロチ伝説と関わっていると思います。

御柱が蛇体神であれば、
人命を賭けての祭りが行われる事は理解出来ます。
                       (つづく)
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