寺家村拓大教授の誕生 [2009年04月28日(Tue)]
寺家村 博 拓殖大学教授。 内々の祝賀会食の席で。 大学の第2語学をものにしたというのは、 私の周辺にもそうは多くない。しかし、 多少でもいくつかの語学を学ぶと、 実に多くの視点を持つことが出来、 視野が開ける。 私はスペイン語に始めて接したとき、 疑問文は冒頭に?がさかさまになり、 感嘆文では!が最初に逆になって登場することを知り、 「文化の多様さ」に目が覚める思いをした。 おそらく、これまでスぺイン語に接点のなかった人には、 吹浦がまた(これは余計なこと!) ウソをついているとでも思うに違いない。 ところで、若き畏友・寺家村(じけむら)博くんが、 今月、見事に拓殖大学教授に昇任した。何はともあれ、 心から祝意を送りたい。 大学というところは、私のように、 外から埼玉県立大学教授になるのは、 一通りの学識経験があればいいのかもしれないが、 助手から昇格してゆくのは本当に大変なことと拝察する。 寺家村家の先祖はれっきとした旗本。しかも、 幕末の蕃書取調所以来、 5代にわたるフランス語を生業とするお家柄。 お母様もそのまたお母様もそのお父様・和介も フランス語ほかの名人で、 赤十字の創設者Jean Henri Dunant(1828〜1910)が書き、 これがきっかけで赤十字とジュネーブ条約になった 『Un Souvenir de Solferino』を翻訳した人。 『朔仏里諾之紀念』(ソルフェリーノの記念)と題するこの本、 きしくも1984年8月25日、すなわち 日清戦争開戦となった豊島(ほうとう)沖海戦の日に刊行されている。 その和介からでも4代目にあたる博くんは、 今から25年ほど前の上智大学博士課程在学中、 この本を『ソルフェリーノの記念』と題して メディカル出版から刊行、私も解説を書かせていただいた。 赤十字の創設を理解するにはこれにまさる書はないと断言する。 (つづく) |