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守屋氏巡る人間模様 [2007年10月30日(Tue)]








   「日の丸」が泣いている。






 後味の悪い証人喚問だった。
守屋武昌前防衛事務次官が11年間で200回以上の
ゴルフ接待を受け、
北海道や九州までゴルフ旅行に連れて行ってもらい、
ゴルフセットその他の提供を受けたとは、
相手が出入り業者でなくても、
これにはあきれるほかない。

 今後の焦点は、
@ ゴルフ接待が贈収賄事件に発展するか否か、
A 歴代の防衛相(長官)など政治家への波及はないのか、
B 速やかに退職金を返納するか、
C 他に防衛利権に絡んで同様のことが行なわれていないのか、
D 肝腎のテロ特措法の審議にどう影響するか、
といった点であろう。

 守屋氏と山田洋行の専務だった宮崎元伸氏との会食の場に、
防衛庁長官経験者が同席したことまでは認めた。

 しかし、その名前を明らかにしないまま、
久間章生元大臣は急遽入院するという。

 このほか、石破茂現大臣(防衛庁長官経験者)、
中谷元(げん)元長官、
額賀福志郎元長官といった
私が熟知し、昵懇にしている人たちは
いずれも「同席」を否定したと各紙に出ている。

 小池百合子前防衛相はどうかって?
在職していた55日間は、参議院選挙への対応で追われ、
私など「あなたは国の防衛大臣ではなく、自民党防衛大臣だ」と
冷やかしていたくらいであり、
守屋事務次官とはご承知のような関係である。
守屋・宮崎両氏との会食どころか、宮崎氏とは面識もないはずだ。

 実は私は守屋氏とは面識がある。
防衛政策課長時代からだ。
特に、玉沢徳一郎防衛庁長官時代、
ルワンダの救援活動で、
難民を助ける会が19トンもある井戸掘削機を
どうしても現地に空輸する必要があり、
私は2度にわたり、玉沢長官と長官室で怒鳴りあった。

「自衛隊のチャーター機の隅に、これを積んでほしい」
という私に、
「NGOの世話なんぞしている余裕はない。先例もない。
キミは日本通運と自衛隊を取り違えている。帰れ!」

「物理的に積めるスペースがあるときでいいから
工夫してもらいたい」

「できないことはできん。何か勘違いしていないか。
われわれは国の仕事としてゴマに向うんだ!」

「自衛隊は3オケまで運んでるじゃないか。
フロオケはまだしも、カラオケにカンオケだ。
そんなものより井戸の掘削機が大事に決まってる」

「そんなことはない。必要があってることだ」

「たった3ヶ月の滞在に何でそんなに大掛かりな荷物が必要か。
どっちが正論か記者クラブで議論しましょう」。

 これが、2度目の怒鳴りあいの雰囲気だった。
前もってあちらこちらに根回ししていたはずが、
大臣の態度が全然、「改善」されていない。
さてはて困った。
 
 空輸するには、一番安い航空会社でも3700万円と
見積もってきていた。

 そのときに、
事務官の席にひとりぽつんと座っていた守屋氏が、
何やら大臣に耳打ち。
「ふむふむ。なるほど・・・」と大臣。

「よし、判った。この際、特段の政治的配慮で、
アキがあったら再考するとしよう。約束はせんぞ、わしは」。

 かくして、千歳空港から世界最大の輸送機アントノフに
難民を助ける会の井戸掘削機は積み込まれ、
コンゴのゴマまで空輸、
そこからは陸送してルワンダに運び込んだ。
数十本の井戸を掘削して、
虐殺で荒れた同国の人々の役に立っていることは言うまでもない。

 その後、自衛隊とNGOとの関係は決定的に改善され、
ゴマとナイロビ(ケニアの首都)との間では、
自衛隊の輸送機がピストン輸送をし、
各国のNGO要員を自由に乗せてくれるなどし、
大いに頼りになった。

 そうそう私には山田洋行の幹部にも極めて親しい人がいる。

 ご夫婦で我が家に泊まっていただいたこともあるし、
一緒に海外の学会に参加したことは何度もある。
「残念ながら」ゴルフにも連れてってくれないし、
焼肉もご馳走してもらったことはない。

 この人は、心底、日本の安全保障を考え、
研究し、発言している尊敬すべき人である。
山田洋行だったか内田洋行だったかの幹部であることは
今回の事件まで私も忘れていたほどだ。

 防衛省(庁)や自衛隊のOBにはすばらしい人が
たくさんいるのに、
最高幹部が守屋氏のようなことをしていたんでは、
全体に対して著しい不信感がおきかねない。

 国際的な責務の遂行にも差し障りかねないし、
日本の官僚に対する信頼感は大きく揺らいだ。

 守屋氏は要するに、心優しい(気の弱い)
「やり手」なのであろう。

 その裏面で、かくも違法ないし酷い規律違反をしていたのは、
なんとも腹が立つ。

 その意味で、関係者の多くを知る者として
さまざまな人間模様を見た気がする。
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