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192,000,000の悲劇 [2007年04月18日(Wed)]
                                                          
                                                                                                                               


 銃による米国史上最大の射殺事件、犠牲者にまずもって哀悼に意を表し、負傷者の全快を祈る。

 それにしても、米国内に192,000,000丁もの銃が「蔓延」していることが恐ろしい。

 世界には5億丁を超える小型武器があるとされるが、内、対人地雷が約1億としても、残る2億の多くは、中国、ロシア、インドなど軍事大国の軍隊や警察のものであると思われる。これはそれなりに管理されているものだ。

 日本は旧軍時代もそうだったが、武器に関する管理のすばらしさは世界一かもしれない。

 それでも長崎で伊藤一長市長が銃殺された。彼は、同じ橋本祐子(さちこ)先生の一門ということで、別の意味で胸が締め付けられる思いがする。心からご冥福をお祈りする。ただ、暴力には絶対反対だが、この事件については今少し、検証を待とう。

 米国社会が250年という建国の歴史の中で個人個人が銃を必要としてきたことは全く分からなくもない。しかし、同様の発展を遂げたカナダ、オーストラリア、さらにはロシアや中国では各家庭が銃で武装しているということははるかに少ないし、いまや米国社会は高度に管理された社会であり、全米ライフル協会の動きは、世界にはとうてい理解できない話だ。

 そしてそうした銃社会に生きることに狎れた米国人とその政府が、世界各地での戦争で、時に、異常なほど荒っぽい外交政策や軍事政策、さらには個々の将兵の不必要な武力依存の行動をとっているのではないかと思わざるを得ない。

 私は自分が訪問した国の数が80を超えるまで米国には行かなかった。それはオヤジが、第2次世界大戦の終了前夜に、わが故郷(現在の秋田市土崎港町)を空爆し、民間人72人を殺害したことを「これがアメリカだ」と教えた(刷り込んだ)からであった。

 しかし、「9.11事件」で、その数十倍の民間人を失ったことが、私には大きなショックで、それ以降ようやく米国に理解と同情をもてるようになったような気がする。

 今回の事件がアメリカ社会に大きな衝撃を与えているだろう。しかし、それでも、全米ライフル協会は「銃が悪いのではない。人間だ」といって、銃社会を守ろうとし、政治家がそれに屈服するのか。

 有り余る銃を「蔓延」させている社会の構造を是正すべきだということに、米国民はもっと真剣であるべきだ。
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コメント
私には、アメリカにおける銃の論議が、国家間の平和の問題と酷似しているように思えてなりません。ドラックバックを入れさせていただきました。
Posted by: 志村建世  at 2007年04月18日(Wed) 14:54