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鉛筆立て (3) – 色紙 [2024年10月24日(Thu)]
近年1つ、時代の違いを感じる事があります。以前の活動では、子供達はあまり色やデザインなどの自分の好みを持ち合わせていないように感じていました。プログラムに使う便箋などを配る際も、選ぶ事無くただ上にあるものから取ったり、どんなに綺麗な挿絵が描いてあってもお構いなし、すべてはただの紙であるといった感じで文字が載っていました。あまり、目的以外の事に心を費やさない印象を受けました。生き繋ぐ事が最優先の生活では、それも当たり前の行動なのかも知れません。

それでもめげずに、色や柄が選べるものを教材にする時は、子供達に極力選んでもらうようにしてきました。作文でも工作でも、例え苦手であっても好きな色や柄を扱う事でモチベーションが上がるだろうと思いますし、何より子供達自身の感性を刺激し高めたかったのです。

近年、島の里子に関して言うと、絵の具や折り紙、リボンなどを使った活動の際、特に低学年の女の子達はこぞってピンクが欲しいと言います。明るい色や可愛らしい柄のものにもっと触れてもらえるように、こちらもそのような教材をより揃えたいなと思わされます。今回のプログラムでは、女の子達は高学年の生徒も皆 自分の好きな柄を選びました。赤い花が好きな子、黄色の柄が好きな子、同じ桜柄でも黒地が綺麗だと思う子、白地がお洒落だと思う子、幾何学模様に興味を示す子… このように個性が表れるのが本当に尊いです。

折り紙やデザインペーパーの柄に限りがあったので概ね柄が被る子達がいたわけですが、面白いのは 数種類の色紙で装飾する子がちらほらいた事です。数量に限りがある為、1人1枚で装飾できる設計にして、1人1枚ずつ配布しました。1枚を使って綺麗に仕上げる子達と共に、友達間で切れ端を交換して、自分だけのものを完成させる子もいたというわけです。そのような発想を微笑ましいと思いました。日本やアメリカなら幼稚園や小学校で自然に体験してくる事ですが、そのような機会が無かった子達がこうやって感性や創造力を高めています。

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鉛筆立て (2) – のりしろ [2024年10月20日(Sun)]
このプログラムの中で、もう1つ焦点を当てたねらいがありました。それは、のりしろの概念を周知する事。

特に都市部から離れた地域の話ですが、子供達は、家で紙工作をするといった遊びをする事がほとんどありません。紙自体が無かったりしますし、ハサミは調理用や工具としてのハサミはあっても、他の目的でハサミを持ち合わせている家庭は少なかったりするようです。ノリなど尚の事、生活の必需品では無いので持つ価値がほぼありません。都市の文具店では10年前と比べ今は文房具や画材などの種類が著しく豊富になってきていますが、僻地とはまだまだ差があります。

そのような環境であっても、関心のある子は積極的に何かをノートの切れ端で作ったりします。里親さんに手紙を書く為に自分で封筒を作っている子がいたのですが、紙を2つ折り、もしくは3つ折りにして、学校でホッチキスを借りてそれで周りを閉じているのをよく目にしました。ホッチキスの代わりにテープがあったとしても、周りをテープで留めたでしょう。

ちなみにテープは荷物を梱包するような大きなテープは一般的に使われますが、事務用のセロテープなどそこまで学校でも使わないようです (村の学校)。もちろん、あれば使用されると思いますが、大抵の場合大きいもので代用されているのかも知れません。ノリは教室を飾るクラフトや展示物を作る際にもしかしたら使われるかも知れませんが、平面のものを貼る目的が主で、立体にして組み立てるものは無い印象です。

そのような環境と相まって、子供達にはのりしろ、という概念が無いのですね。今回の図面にはちゃんとのりしろがあります。もちろん、組み立てる際に絶対知っておかなくてはならない、というものではありません。コンパスにしても、この子供達の今後の人生で、その知識が将来何かの役に立つ事は無いかも知れません。しかし発想やものの考え方、ものの見方や自然法則は、あらゆる点で人生を (経済的な事に関わらず) 豊かにする要素であると考えています。
鉛筆立て (1) [2024年10月17日(Thu)]
秋の訪問で、鉛筆立てを作成しました。日本ではよく牛乳パックで作られているものです。最大の目的は、定規の使い方に慣れる事。こちらの農村部の子供達は、定規で長さを測る、という習慣があまり無いようです。定規は、白紙に文字を書く際まっすぐに文章を書けるように線を引いたり、また絵を描くのに使っています。絵の中で例えば家を描く場合、屋根や壁の線をまっすぐに描こうとして定規を使うのです。個人的に、そのような絵は自由な線で描いて欲しいなと思いますが…。

小学生、中学生、高校生で違う形のペン立てにしました。小学生は三角柱2つ (長1・短1) の、底が菱形のペン立てです。中学生は、三角柱6つ (長3・短3)の、底が六角形のもの。高校生は長・中・短の3種類の三角柱が2つずつ組み合わさった形です。それぞれ図面が違い、年齢が高くなるほど、沢山長さを測る事になります。図面の他に、ペン立ての外側を飾る折り紙も決まった通りに測って切ってもらいます。ですから今回は本当に、長さを正確に測り、正確な形を作る、という事が活動の趣旨となりました。出来上がったペン立ては家で是非勉強に役立ててもらいましょう。

プログラムの中では、コンパスを使う体験、コンパスで正三角形や正六角形を作成する概念も紹介しました。三角形を描く際、分度器を利用する方法も念の為復習しつつ、今回はコンパスで。初めてコンパスを使う子が大半でした。農村地域では、学校内でも児童、生徒自身においても教材が不足している事が多く、敢えてそのような体験は授業から省かれたりするのです。

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