近年1つ、時代の違いを感じる事があります。以前の活動では、子供達はあまり色やデザインなどの自分の好みを持ち合わせていないように感じていました。プログラムに使う便箋などを配る際も、選ぶ事無くただ上にあるものから取ったり、どんなに綺麗な挿絵が描いてあってもお構いなし、すべてはただの紙であるといった感じで文字が載っていました。あまり、目的以外の事に心を費やさない印象を受けました。生き繋ぐ事が最優先の生活では、それも当たり前の行動なのかも知れません。
それでもめげずに、色や柄が選べるものを教材にする時は、子供達に極力選んでもらうようにしてきました。作文でも工作でも、例え苦手であっても好きな色や柄を扱う事でモチベーションが上がるだろうと思いますし、何より子供達自身の感性を刺激し高めたかったのです。
近年、島の里子に関して言うと、絵の具や折り紙、リボンなどを使った活動の際、特に低学年の女の子達はこぞってピンクが欲しいと言います。明るい色や可愛らしい柄のものにもっと触れてもらえるように、こちらもそのような教材をより揃えたいなと思わされます。今回のプログラムでは、女の子達は高学年の生徒も皆 自分の好きな柄を選びました。赤い花が好きな子、黄色の柄が好きな子、同じ桜柄でも黒地が綺麗だと思う子、白地がお洒落だと思う子、幾何学模様に興味を示す子… このように個性が表れるのが本当に尊いです。
折り紙やデザインペーパーの柄に限りがあったので概ね柄が被る子達がいたわけですが、面白いのは 数種類の色紙で装飾する子がちらほらいた事です。数量に限りがある為、1人1枚で装飾できる設計にして、1人1枚ずつ配布しました。1枚を使って綺麗に仕上げる子達と共に、友達間で切れ端を交換して、自分だけのものを完成させる子もいたというわけです。そのような発想を微笑ましいと思いました。日本やアメリカなら幼稚園や小学校で自然に体験してくる事ですが、そのような機会が無かった子達がこうやって感性や創造力を高めています。