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鉛筆立て (2) – のりしろ [2024年10月20日(Sun)]
このプログラムの中で、もう1つ焦点を当てたねらいがありました。それは、のりしろの概念を周知する事。

特に都市部から離れた地域の話ですが、子供達は、家で紙工作をするといった遊びをする事がほとんどありません。紙自体が無かったりしますし、ハサミは調理用や工具としてのハサミはあっても、他の目的でハサミを持ち合わせている家庭は少なかったりするようです。ノリなど尚の事、生活の必需品では無いので持つ価値がほぼありません。都市の文具店では10年前と比べ今は文房具や画材などの種類が著しく豊富になってきていますが、僻地とはまだまだ差があります。

そのような環境であっても、関心のある子は積極的に何かをノートの切れ端で作ったりします。里親さんに手紙を書く為に自分で封筒を作っている子がいたのですが、紙を2つ折り、もしくは3つ折りにして、学校でホッチキスを借りてそれで周りを閉じているのをよく目にしました。ホッチキスの代わりにテープがあったとしても、周りをテープで留めたでしょう。

ちなみにテープは荷物を梱包するような大きなテープは一般的に使われますが、事務用のセロテープなどそこまで学校でも使わないようです (村の学校)。もちろん、あれば使用されると思いますが、大抵の場合大きいもので代用されているのかも知れません。ノリは教室を飾るクラフトや展示物を作る際にもしかしたら使われるかも知れませんが、平面のものを貼る目的が主で、立体にして組み立てるものは無い印象です。

そのような環境と相まって、子供達にはのりしろ、という概念が無いのですね。今回の図面にはちゃんとのりしろがあります。もちろん、組み立てる際に絶対知っておかなくてはならない、というものではありません。コンパスにしても、この子供達の今後の人生で、その知識が将来何かの役に立つ事は無いかも知れません。しかし発想やものの考え方、ものの見方や自然法則は、あらゆる点で人生を (経済的な事に関わらず) 豊かにする要素であると考えています。
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