
新しい里子を含む子供達との もう一つのプログラムは、紙で橋を作って、形と強度を比べる実験です。かこさとしさんの著書「よわいかみ、つよいかたち」を参考にしました。
ハガキサイズくらいの大きさの紙を2等分したものを1つの橋の基本サイズとします。例えば、この紙切れを何も手を加えずそのまま橋にしたものと、両端を1 cm 程度折ったものではまったく強度が違うのです。そのような発見をしてもらうプログラムです。
このプログラムの目的は
@ 定規で正確に長さを測る
カンボジアの子供達は絵を描く時ですら定規を使って線を引いたりします。それで、なんとなく伸び伸びした自由さが感じられにくい絵をよく目にします。無地の紙に作文を書く時でも、まず罫線を引いて文章を書き始める子がいました。しかしその線は均等な高さに引かれるわけではなく、斜めだったりします。そこで、紙を2等分するならどうするか? を答えを言う前にまず問いかけ、子供達の考えを尋ねます。ハガキの上端だけ均等に測るだけでなく、下端も測って線を引く事から始めます。
A 形によって強度が違う事を発見する
橋の形は、[A]手を加えない紙切れのまま、[B]両端を1pずつ折って橋桁を作ったもの、[c]同じく欄干にしたもの、[D]脚付きと欄干付きを組み合わせたもの、[E]紙の真ん中を山折りにしたもの、の5種類を調べていきます。ここでも、橋桁や欄干の1pを測ったり 山折りの為の中央の線を引いたり、正確な作業が求められます。
B 平均を計算する
錘が幾つ載ったのか、1回だけの測定では信ぴょう性がないので3回は同じ事を繰り返してもらいます。そしてその3回の平均値を出す。割り算の練習です。
5種類の橋の実験が終わったら、各グループで一番強かった橋を発表し合い、確認します。
C 自分で発想する
その後時間が許す限り、各グループで他にどんな形の橋ができるか、その形の強さはどうか、先に行った5種類の中の最強の橋より強いものはできるか、など自由に試行錯誤できる時間を取れたら更に良いです。