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鹿児島報告(2)川内原発、いちき串木野市へ [2015年06月29日(Mon)]

<鹿児島報告―2>

スタッフの吉田です。21日は、川内原発の近くまで連れて行っていただきました。その後、いちき串木野市のみなさんと意見交換しました。

【川内原発の近くまで】
20日は、串木野駅の近くの民宿に宿泊。
東京出身で昨年からいちき串木野に拠点を移して活動している高木章次さんにお世話になり、素敵なジャズカフェで翌日の行程を相談。
午前中に地元で福祉施設を経営している江藤卓朗さんが、川内原発まで案内してくださることになりました。

150621_1.jpg
原子力市民委員会の水藤さんも合流し、9時すぎに出発しました。海沿いを走り、40分ちょっとで川内原発のゲート前へ。
警備の人は二人。ゲート前から、原発の建屋が見えていました。
すぐ近くの「展示館」には、いまだに「5重の壁」といった展示とともに、原発は温暖化対策、などと訴えるパンフレットが・・・・。
150621_2.jpg

その後、薩摩川内市の鳥原良子さん、出水市(薩摩川内市の北側)の神信裕さんと合流しました。
原発から2キロほどのところに、3万年前の姶良カルデラ火山の噴火によって流れ出た入戸(いと)火砕流の堆積した地層(10メートルほどの赤土の層)が見られる場所を案内していただきました。

150621_3.jpg
神さんは、物理・地学を専門とし、地形から地殻の変動を調べています。この地層をみるに、地形などによって同じ厚さではないとしても、当然原発の敷地まで火砕流は届いていただろう。九州電力は、原発の敷地には届いていないとしていますが、当然届いていたとほとんどの火山学者は指摘をしています。

また、原発周辺にみられる断層の分布図について、九州電力の提出資料では、原発周辺5キロが空白になっています。川内川河口周辺に海岸段丘があることは、神さんの指摘だけでなく九電自体が認めています。ところが川内川河口底に同じ時代の地層があることが、ある論文で指摘されています。
このことは、ここに50m程の段差(断層)があり、これが川内川推定断層(橋本 1972)である、と神さんは指摘をしています。
しかし、九電は川内川河口底の地層を「不確かである」として、断層を認めていません。

川内原発の再稼働審査において、火山学者の提言に反し巨大噴火の可能性が考慮されていない問題(*2)・・その一つの証拠となる現場を目にすることができました。

(*2)原子力規制を監視する市民の会(2015年5月27日)
「川内原発保安規定(火山モニタリング)についての声明」
http://kiseikanshi.main.jp/2015/05/27/kazan/

その後、いちき串木野市に戻る途中、原発から約7キロの羽島漁港に立ち寄ります。
港の漁獲量は、川内原発が操業したころから漁獲量が減っていて温排水(温廃水)の影響も疑われると、地元の方は言います。

150621_5.jpg
港のコンクリートの岸壁に、わかめのような緑色の海草が揺れています。
江藤さんほか地元の人たちは、原発が止まってから生えてきたのではないか、温排水がなくなって海水温が低下したためではないかとのことでした。

【いちき串木野市で意見交換】
お昼前、「鹿児島から避難計画を考える緊急署名の会(*3)」の事務所で、20日の講演会には参加できなかった方を中心に、地元の方10名ほどが集まってくださり(しかも前夜遅く〜朝にかけてのとても直前の呼びかけで・・・!)意見交換を行いました。

(*3)いちき串木野市の人口は約2万9000人、その過半数の住民の署名を集めようと、2014年の5〜6月、全国からの参加を得て、戸別訪問や街頭などで精力的に署名を集め、ついに1万5000筆を達成、2014年6月に市長に提出しました。)

原発の避難問題や健康影響、技術的問題など、様々な角度から、長年にわたって粘り強く働きかけられている皆さんです。
推進・賛成派との議論は平行線だといいますが、今後は地元の経済や雇用の観点からも考えたいとのこと。
市議会でも原発コストの問題など取り上げたいという、いちき串木野市、日置市の現・元市議会議員の方もこられていました。

あっという間の2時間弱が過ぎ、市議の方に送っていただいて鹿児島空港へ。
帰り際、一人の年配の女性が、ちまきのようなもち米の保存食、灰汁(あく)巻をお土産にくださいました。島津藩が参勤交代の道中に持参したものだそうです。

空港では、串木野発祥とも言われるさつま揚げをたくさん、お土産に購入しました。(早速翌日のお昼、事務所のみんなでおいしく食べました。)

150621_6.jpg

若い世代の人口減少など、地方特有の悩みを抱えています。
だからこそ、及川さんのような若い世代の地域に密着した取り組みは勇気付けられるものです。

豊かな自然はもちろん、鹿児島のおいしい食など、魅力を多くの人に知ってもらい、
原発に頼らない地域づくりにつながれば・・と願って鹿児島をあとにしました。
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