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スリランカ・気候変動影響調査報告 Part1 [2014年11月17日(Mon)]

10月7〜9日、スリランカ・キャンディでの会議につづいて、気候変動の影響についていくつかの村を訪問して聞き取り調査を行いました。訪問したのは、スリランカ北東部州のPolonnaruwa地方です。
612px-Polonnaruwa_district_svg.png

農村地帯で、稲作を中心に様々な野菜を育て、近郊の町に供給しています。

●「大規模開発プロジェクトで気候が変化」
DSCF6843.jpg
まず訪れたのは、Dambullaという町の、農民組織のリーダー、Pahara W.B.W.Aさん(スリランカ人の名前は長いことが多く、このように略すそう)です。

スリランカでは、大きくわけて二つの季節がある。9月15日から翌年3月15日までがMahaと呼ばれる雨季、3月15日から9月15日までがYaleと呼ばれる乾季です。
通常、9月15日ごろから雨が降り始め、11月15日ごろには大雨が降る。これにあわせて米の作付けをするとのこと。

しかし、ここ2年ほど、雨季には雨が非常に少なく、一方で3月15日以降も雨が降るなど、雨の降り方が異常となっているとのこと。
以前は、雨季が近づくと虫が土から出てきたり、鳥が地面近くに降りてきたり、パターンがはっきりとしてその前兆もあったそうです。

それが、10〜20年ほどで変わり、特にこの2年は異常だとのこと。
政府によって緊急のため池が作られたそうですが、今後も増設をしてほしいと言います。
DSCF6846.jpg
彼は続けます
40年前、このあたりには大森林があったが、大規模開発プロジェクト(バナナ、コーンなど)のおかげで伐採され、それによって水の流れが変わってしまった。 

さらに、今は化学肥料を使うようになったり、賃金の上昇で、経営は厳しくなっているとのことでした。
DSCF6850.jpg
ため池を背景に。

●「父なる空と母なる大地」
続いて訪れたのは、Sigiriyaという町のアーユルヴェーダ医師、Karashuri.R.G. Wijerathanaさんです。地域でも長老的な存在の彼の元には、内外から人々が治療に訪れます。
哲学者、アーティストでもある彼の自宅には、自分で彫ったという仏像や木像が置かれています。
DSCF6866.jpg

1940年代から60年代ごろまでは、季節にしたがって、農作をしていた。そのころは、村には25軒の農家があり、一部の場所で互いに協力しながら幸せに暮らしていた。
それが、外国資本がやってきて森林を伐採し、経済システムを変えたことで、変わってしまった。
戦後、開発が進められよういうときに気候変動などの影響を当時の総理大臣に警告したが、聞き入れられなかったそうです。

気候変動は人為的な災害だと彼は言います。
「空は父であり、大地は母である。われわれはその間で生かされていることを忘れてはならない」

●「4キロ先まで水を買いに」
通りかかったとうもろこし農家でも、お話を聞くことができました。
3人の男の子のいる家族です。
男の子たちはとても人なつこく、きれいな花を拾っては、私たちに渡してくれました。
DSCF6903.jpg

この15日ほど雨が降っておらず、作付けを開始できない、今年は旱魃で農業ができずに、収入もなくなっているとのこと。政府からはジャガイモ10キロと水を汲むためのポリタンクの支給はあったそうですが、飲料水は4キロ先まで買いにいかなければならないそうです。

家には地下水が引かれていますが、飲用ではなく、生活用水に少し使える程度とのこと。
お父さんは松葉杖をついていますが、数日前に作業をしていて木から落ちてしまったとのこと・・!

厳しい状況ながらも、子どもたちの無邪気な笑顔が印象的な家族でした。

ーつづくー
(吉田 明子)
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