こんにちは、横浜から小野寺です。
国連の気候変動に関する科学者機関IPCC(気候変動政府間パネル)の会合が、3月25日から29日まで横浜で開催されています。世界中から科学者が日本に集うなか、FoEJapanもオブザーバーとして参加し、その内容を見守っています。

IPCCは最新の気候変動に関する知見を集めた評価報告書を過去4回発表しており、今回は4部からなる第5次評価報告書の2番目となる第2作業部会の報告書が3月31日に正式発表されます。
「政府間」という名前の通り、出される報告書の「政策決定者向け要約」は参加する政府の合意文書となる点が他の科学者機関の報告と異なる所です。とりわけ2015年パリで将来枠組の合意を目指す国連交渉が進むなかで、この第5次評価報告が担う役割はとても重要なものです。
昨年9月にストックホルムでその第1部である気候変動の科学編が採択され、国連で合意された目標である、今世紀末までの平均気温上昇を2℃未満に抑えるには、あと数十年しかないことや、地球環境を人為的に操作する地球工学的な対策が取り上げられ議論を呼びました。
横浜で採択予定の第2部は気候変動の過去と将来の影響の評価がテーマで、第1部で予測される規模の気候変動が、農業や食糧生産など世界的にどういった影響をもたらすか、またアジア、アフリカなど地域別にどういった影響が予測されるかなど、より身近な内容を取り上げています。
日本政府は来年初めを目処に日本への影響をまとめ、来年夏には国家適応計画を閣議決定する予定でいますが、本会合二日目の26日には環境省が中心になり、シンポジウムとそれに合わせた低炭素社会を目指すキャンペーンの立ち上げを発表します。
予測される影響を低減するため、遅れている温室効果ガス排出削減対策の重要性を示すため、FoE Japanは国内外の市民団体と協力してこの会合の知見をアピールして行くべく活動しています。