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アポ・ホセの7周忌――フィリピン・サンロケダムと闘ったリーダーへの報告 [2013年05月20日(Mon)]

委託研究員の波多江です。フィリピンからの報告です。

「アポ、今年も帰ってきたよ。」――その時々の状況によって、行く調査場所が目まぐるしく変わる私の日常のなかで、この日だけは毎年「ここ」と決まって戻る場所がある。5月16日、サン・ニコラス町にあるアポの家だ。

2006年のこの日の朝、アポは町庁舎からの帰途、オートバイに乗った見知らぬ二人組の男に頭部を撃ち抜かれた。その頃、フィリピンでは「政治的殺害」が多発していたが、国家事業であるサンロケダム本体事業やその灌漑ダム事業への反対運動を引っ張ってきたアポも標的にされたのだ。ナナイ.JPG

アポが射殺され、未亡人となってしまったナナイ・ワネットと一緒に今年も墓参りに出かけた。ローソク2本を灯し、ナナイはアポに近況を話し聞かせている(=写真)。私も近況、といっても、ほとんどサンロケダムのことだったが、あれこれと報告をした。

――アポ、アポが生きているときから私たちがずっと指摘してきた問題が、いろいろと実際に起きてしまっています。例えば、昨年は(サンロケダム)上流にあるパドカル鉱山のテーリングダムが決壊しました。鉱山によるダム湖の水質汚染の問題とか、もう何年も前から指摘してきたよね。水路と収用された水田.JPG

――(サンロケ)灌漑事業は本当に農民のためか?って思ってしまいます。中国企業が灌漑用ダムを建設して、ほぼ完成。サン・ニコラス町側でも新しい水路の建設が進んでいるけど、水路のために水田がダメになっているところも、やっぱりあります。(写真=水路の建設で、水田(写真奥側)が収用されてしまった)

――つい最近になって、(隣の)サン・マニュエル町では急に灌漑用水の供給が止められました。灌漑事業の準備工事のため、向こう1年、灌漑用水の供給をしない方針だそうです。じゃぁ、この1年、農民は一体どうやって生活していけばいいって言うんでしょう。空になった水路.JPG
農民自身が『水』をコントロールできない灌漑事業なんて、農民のためって言えるんでしょうか。こんな大型事業でなくても、水田の灌漑状況を改善できる方法は他にあるはずなのにね。(写真=急に灌漑用水の供給がストップされ、空になった水路(写真手前側)。田植えをして間もない水田では、収穫までに稲が枯れてしまうことが懸念される。)

報告の後は、私がいつも心のなかで、おまじないのように繰り返しているアポへのお願いを唱えた。
「Agyaman kami ta tuloy-toloy kami pay ti aktividad nga nagrugi ka, apo. Paki tumulong pay kada kami tapno pumigpigsa kami pay ken makaaramid ti amin nga pamuspusan. (アポ、ありがとう。アポが始めた活動を私たちは続けることができています。私たちがもっともっと強くなって、あらゆる改善策をとっていけるよう、これからも私たちを助けてください。)」

お墓を後にする私たちに、アポはきっと「Ingat kayo(気をつけて)」と言ってくれたに違いない。アポが殺された日の朝にも、調査に出かける私たちに優しく声をかけてくれたように。

(開発金融と環境プログラム 波多江)
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