シンポジウムにて発生抑制のしくみづくりに向けた提言を発表 [2013年02月27日(Wed)]
スタッフの瀬口です。
2013年2月19日、東京国際フォーラム(有楽町)にて、3R政策シンポジウム「より少ない資源でより豊かなくらしを〜発生抑制のしくみづくりに向けた提言」を開催しました。 事業者、研究者、行政関係者、市民など約60名の参加がありました。 発生抑制(リデュース)は、3Rの中で最も優先されるべきとされているにも関わらず、実際には、リサイクルだけが進み、「大量生産・大量消費」型の社会は変わっていません。 FoE Japanは、これまで10年以上にわたり、「発生抑制」に重点を置いて、国内外の取り組み事例調査や地域と協働での実践活動、キャンペーンなどを行ってきました。 2012年6月より、これらの活動成果をベースに提言書作成のための検討会を開催し、学識者、事業者、市民団体などのメンバーと検討作業を行ってきました。 今回のシンポジウムは、発生抑制のしくみづくりに向けた国内外の最新動向の報告と、提言書の発表の場として企画しました。 ●第1部 発生抑制のしくみづくり最新動向 ◇基調講演「消費と経済のデカプリングの時代へ」 倉阪秀史氏(千葉大学法経学部教授) 無駄なモノを作らず、いったん作ったものは使い倒すことにより、環境負荷を下げながら、経済発展をめざすイメージと事例をお話いただきました。 ◇「韓国の法律による一回用品および過剰包装規制」 ジョン・ジ・ユン氏 (地方自治総合研究所特別研究員) 韓国では、過剰包装の規制や使い捨て品の使用規制が法律で定められており、一定の成果を挙げていることは、日本でも大変参考になります。 ◇「エコを誇れるまち・鎌倉をめざして」 宇治牧子氏(鎌倉のごみ減量をすすめる会発生抑制チーム) FoE Japanとの協働で発生抑制の取り組みを開始した成果報告と今後の計画を発表しました。 ◇発生抑制施策・取り組み事例調査報告 長谷川哲郎(FoE Japan) 過剰包装、レジ袋削減、ペットボトル削減に関する国内外の施策の整理・検証と、発生抑制の取り組みによる生き生きしたまちづくりの事例紹介を行いました。 ●第2部 発生抑制のしくみがつくるサステナブルな日本 ◇発生抑制のしくみづくりに向けた提言発表 瀬口亮子(FoE Japan) ![]() 今回の提言は、容器包装および使い捨て品を対象とし、制度的な提案と、事業者・地域による自主的取り組みを促進する提案の計13項目です。 提言の詳細については、こちらをご覧ください。 http://www.foejapan.org/waste/library/130219.html ◇パネルディスカッション「発生抑制のしくみづくり実現の鍵」 コーディネーター:山川肇氏(京都府立大学准教授) パネリスト: 中谷隼氏(東京大学)、百瀬則子(ユニー環境社会貢献部長)、 大石美奈子(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会)、瀬口亮子(FoE Japan) 発生抑制の取り組を促進するには、環境負荷に関する情報の共有、消費者と事業者のコミュンケーションが不可欠であること、自主的取り組みに限界のあるところには、国や自治体が制度をつくる必要があること、また、主体間の連携を促進する枠組みが必要であることなどが、確認されました。 今回の提言内容を実現していくために、さらに力を入れて活動していきたいと思います。 ※シンポジウム告知はこちら http://www.foejapan.org/waste/event/130219.html |